スタートアップがセットアップオフィスを選ぶ理由|成長企業の活用事例

スタートアップがセットアップオフィスを選ぶ理由|成長企業の活用事例

最終更新:2026年7月

なぜスタートアップはセットアップオフィスを選ぶのか——理由は「コスト・スピード・採用」の3つに集約されます。内装・什器・通信環境が整った状態で借りられるため、限られた資金を事業に集中させながら、成長スピードを止めずにオフィスを構えられるからです。さらに、整ったオフィスは採用・組織づくりの投資にもなります。だからこそ、成長企業を中心に選ばれるケースが広がっています。

この記事では、スタートアップがセットアップオフィスを選ぶ理由・コスト/スピードの利点・採用と組織への効果・増床/リモートワークへの柔軟対応・活用事例を、成長フェーズごとの考え方や「よくある失敗と回避策」まで含めて整理します。セットアップオフィスそのものの基礎知識は「セットアップオフィスとは|費用・居抜きとの違い・探し方まで完全ガイド」にまとめているので、あわせてご覧ください。

「仲介手数料0円」でいくら得? 一般に仲介手数料は賃料1ヶ月分+税。月100万円の区画なら約110万円ですが、東京オフィスチェックは貸主からの広告料で運営しているため0円です(案内・内見・条件交渉は通常どおり)。

スタートアップとセットアップオフィス

セットアップオフィスは、内装・什器付きで初期費用と入居までの期間を抑えられるオフィス形態です。資金効率とスピードが重視されるスタートアップの成長フェーズと相性がよく、採用・増床の場面でも扱いやすいのが選ばれる理由です。キャッシュを事業に集中させたい創業期から、人員が急拡大する拡大期まで、フェーズをまたいで選択肢になります。用語の全体像は「セットアップオフィスとは|完全ガイド」をご覧ください。

セットアップオフィスとは?スタートアップに向く理由

セットアップオフィスとは、貸主が内装・什器・通信設備などをあらかじめ整えた状態で貸し出すオフィスです。入居企業は間仕切りや配線といった内装工事をゼロから行う必要がなく、契約後すぐに業務を始められます。この「準備の手間と時間を省ける」性質が、動きの速いスタートアップと噛み合います。

セットアップオフィスの特徴

一般的に、次のような設備が整った状態で提供されます。

  • 間仕切り・会議室・エントランスなどの内装
  • デスク・チェアなどの什器(什器付きの場合)
  • インターネット回線・LAN配線・電話設備
  • 照明・空調・OAフロアなどの基本設備

ただし「どこまで含まれるか」は物件ごとに差があります。什器まで付くのか、内装のみなのかで初期費用も変わるため、契約前に付帯範囲を必ず確認しましょう。近年の物件はデザイン性や機能性のトレンドを反映したものも増えており、完成した空間を実物で確認して入居できる点も特徴です。

他のオフィス形態との違い

スタートアップが検討しやすい形態を並べると、それぞれ得意分野が異なります。

形態 初期費用・入居スピード 特徴
スケルトン(通常賃貸) 工事費が別途/数週間〜数か月 自由に内装をつくれるが費用と期間がかかる
セットアップ 読みやすく/短めになりやすい 内装完成済み。設備が安定し品質を確認しやすい
居抜き 抑えやすい/譲渡金が発生することも 前テナントの内装を引き継ぐ。設備状態にばらつき
レンタル/サービスオフィス 低い/即日〜 共用部が多く短期・小規模向き。専有性は低め

「初期費用の抑えやすさ」で居抜きと比較検討するケースも多いため、違いは「セットアップオフィスと居抜きオフィスの比較」で詳しく整理しています。専有性やスピード、設備の安定を重視するとセットアップが候補に上がりやすい傾向です。

スタートアップが選ぶ理由

成長企業がセットアップオフィスを選ぶ背景には、資金・スピード・信用・不確実性という共通した事情があります。まず全体像を表で確認し、そのうえで成長フェーズごとの考え方を整理します。

[画像:スタートアップの成長フェーズとオフィス選び]
観点 スタートアップの課題 セットアップが選ばれる理由
資金 限られた資金を事業に集中させたい 内装に大きな初期投資をしなくてよい
スピード 成長に合わせて短期間で移転・増床したい 内装工事が不要ですぐ稼働できる
信用・印象 採用・資金調達フェーズで信頼感を示したい 整ったオフィスが投資家・候補者に好印象
不確実性 人員計画が読みにくい 区画変更・増床に対応しやすい物件が多い

成長フェーズ別の考え方

同じスタートアップでも、フェーズによって「オフィスに何を求めるか」は変わります。目安として次のように整理できます。

  • シード〜創業期(数名):固定費を極力抑えたい時期。什器付きの小区画やレンタルオフィスも選択肢。ただし採用や来客が増えてきたら、専有性のあるセットアップへの移行を検討し始めるタイミングです。
  • アーリー期(十数名〜):採用が本格化し、面接・来客が増える時期。オフィスの印象が採用に影響し始めるため、整ったセットアップの価値が出やすいフェーズです。増床のしやすさも選定条件に入れておくと安心です。
  • ミドル〜拡大期(数十名〜):人員計画が読みにくく、増員スピードが速い時期。同ビル内で増床できるか、より広い区画へ短期間で移れるかが重要になります。工事期間が要らないセットアップは、この「読めない拡大」に対応しやすい形態です。

いずれのフェーズでも共通するのは、「今の人数」ではなく「次の半年〜1年の計画」を前提に選ぶことです。手狭になっての再移転はコストがかさむため、少し余裕を見ておくのが安全です。

コスト・スピードの利点

セットアップオフィス最大の利点は、初期費用を抑えつつ短期間で稼働できる点です。資金効率とスピードを両立できることが、キャッシュを事業成長に回したいスタートアップにとって大きな魅力になります。

初期費用を抑えられる

通常のスケルトン区画では、間仕切り・会議室・配線・什器などを自社で一から用意するため、内装工事費がまとまった規模で発生します。セットアップは内装費が賃料に内包されるため、入居時にまとまった工事費が不要で、移転予算を早い段階で固めやすいのが特徴です。浮いた資金を採用・広告・開発といった事業側に振り向けられます。

コスト感の目安として、東京都心のセットアップ物件は坪単価が中央値で約26,000円/坪、広さは中央値で約45坪、月額総額は中央値で約100万円/月が一つの目安です(東京オフィスチェック取扱物件・2026年時点/自社調べ。物件・エリアにより幅があります)。賃料はスケルトンよりやや高めになりやすいものの、内装工事費を考慮するとトータルでは割安になるケースもあります。費用の内訳やエリア別相場は「セットアップオフィスの初期費用・賃料相場」で詳しく解説しています。

入居までのスピードが速い

通常のオフィスでは内装設計・工事に数週間〜数か月かかりますが、内装が完成しているセットアップならその工程を省けるため、契約から稼働までのリードタイムが短くなりやすい形態です。「来期の立ち上げに間に合わせたい」「調達後すぐに人を増やす箱が欲しい」といった、スピードが事業に直結するスタートアップのニーズに応えやすいのが利点です。

採用・組織への効果

整ったオフィスは、コスト面だけでなく採用力と組織づくりにもプラスに働きます。スタートアップにとってオフィスは、候補者・社員・投資家という「人」に向けたメッセージの場でもあります。ここは旧「採用とオフィス」の観点も統合して、やや厚めに整理します。

採用力への効果

候補者はオフィス見学や面接の場で、働く環境を入社の判断材料にすることがあります。清潔で機能的な空間や、企業らしさが伝わる内装は、入社意欲や志望度の後押しになり得ます。とくに人材獲得競争が激しい職種では、オフィスの印象が「ここで働きたい」という気持ちに影響する場面があります。求人媒体やコーポレートサイトにオフィス写真を掲載する際も、整った空間は訴求材料になります。

定着・エンゲージメントへの効果

働きやすい環境は、日々の生産性だけでなく定着(リテンション)やエンゲージメントにも関わります。快適な執務スペース、集中できる会議室、休憩・リフレッシュできる共用部などが整っていると、社員がオフィスに愛着を持ちやすく、チーム内のコミュニケーションも生まれやすくなる傾向があります。出社と在宅を組み合わせるハイブリッド運用では、「わざわざ出社する価値のある場所」であることが、対面で集まる意味づけにもつながります。

投資家・取引先への信頼

資金調達フェーズでは、投資家がオフィスを訪れる場面もあります。整ったオフィスは、事業の安定感や本気度を示す一つの材料になり得ます。取引先との商談・来客時にも、企業の「顔」として印象を左右します。オフィスを「採用・組織づくり・信用形成への投資」と位置づける考え方が、スタートアップの間で広がっています。

[画像:採用・組織への効果(面接・来客・共用部の様子)]

【要追記:採用・定着に効いた具体例(自社が支援した事例。匿名可・人数/時期/決め手)。「デザイン性の高い区画に移転後、候補者の反応が変わった」等の一次情報があると説得力が大きく上がる】

増床・リモートワークへの柔軟対応

スタートアップは人員計画が読みにくく、急な増員やハイブリッドワークへの対応が求められます。セットアップオフィスには、この「読めない変化」に合わせやすい物件が増えています。

増床・区画変更のしやすさ

急成長で人が増えると、想定より早く手狭になることがあります。同じビル内での増床や、より広い区画への移転がしやすい物件を選んでおくと、拡大局面でも慌てずに済みます。内装工事が不要なセットアップは、次の移転もスピーディに進めやすいのが利点です。契約前に「増床の余地があるか」「短期での区画変更に対応できるか」を確認しておくと安心です。

ハイブリッドワークに合うレイアウト

出社と在宅を組み合わせる働き方が定着し、オフィスに求められる機能も変わってきました。Web会議ブース、フリーアドレス、集中スペースなど、ハイブリッドワークに合うレイアウトを備えた物件も増えています。全員分の固定席を持たない前提で面積を最適化するなど、働き方に合わせた選び方ができます。レイアウトの考え方は「セットアップオフィスの内装・デザイン事例」もあわせてご参照ください。

選ぶ際に押さえるべきポイント

スタートアップがセットアップオフィスを選ぶときは、「広さ・機能とセキュリティ・ブランドイメージ」の3点を先に整理すると失敗を防ぎやすくなります。

成長を見据えた十分な広さ

現在の人数だけでなく、1〜2年後の採用計画を見込んで広さを決めます。一般的な目安として1人あたり2〜3坪前後と言われますが、会議室やリフレッシュスペースの有無、業種によって適正面積は変わります。フリーアドレスやハイブリッド運用を前提にするなら、固定席の考え方も含めて面積を検討しましょう。手狭での再移転はコストがかさむため、少し余裕を持たせるのが安全です。

必要な機能・セキュリティ環境

インターネット回線・複合機・会議室・休憩スペースなど、業務に必要な機能が揃っているかを確認します。顧客情報や機密データを扱う場合は、入退室管理や施錠、監視カメラの有無などセキュリティ面も重要な判断材料です。セットアップは設備が整っている一方で、自社の要件を満たすかは物件ごとに差があるため、要件をリスト化して照合すると漏れがありません。

ブランドイメージと一致するデザイン

オフィスは来客や採用応募者など、外部から見られる「企業の顔」でもあります。企業理念やサービス内容と調和した内装は、企業文化の醸成や一体感の向上にも寄与します。クリエイティブ業界なら遊び心のある空間、機能性を重視する企業なら整然としたレイアウトなど、自社らしさが伝わるかという視点で選ぶと、採用・ブランディングの面でも効いてきます。

活用事例

スタートアップのセットアップ活用は、大きく「コスト削減型」と「採用・ブランディング型」に分けて考えると整理しやすくなります。

  • コスト削減型:立ち上げ期に内装工事費・什器購入費を抑え、浮いた予算を採用や広告など事業側に振り向けるケース。初期投資を軽くして、資金を成長に集中させる考え方です。
  • 採用・ブランディング型:デザイン性の高い区画を選び、候補者や来客への印象、社員のモチベーション・定着を重視するケース。オフィスを採用・組織づくりの投資と位置づける考え方です。
  • 拡大対応型:増員スピードが読みにくいなか、増床・区画変更のしやすい物件を選び、拡大局面での再移転コストを抑えるケース。

スタートアップのオフィス選びでよくある失敗と回避策

成長スピードが速いスタートアップだからこそ起きやすい、つまずきと防ぎ方をまとめます。多くは「先の計画を前提に選ぶこと」と「契約前の確認」で防げます。

  • 増員を見込まず、短期で手狭に:直近人数だけで契約し、1〜2年で再移転に。→ 採用計画を反映した面積で選び、増床の余地も確認する。
  • 賃料の割高感で固定費を圧迫:設備・立地にこだわりすぎて月々の負担が重くなる。→ 売上・成長見込みとバランスをとり、複数物件を比較して無理のない範囲で選ぶ。
  • レイアウト変更の制限を確認せず入居:入居後に間取り変更や設備追加ができないと判明。→ カスタマイズ可能な範囲と退去時の原状回復条件を契約前に確認する。
  • 付帯範囲を誤解:「什器付きと思ったら内装のみだった」。→ 賃料に含まれる範囲(什器・回線・清掃など)をリスト化して確認する。
  • 人気区画を押さえ損ねる:好条件の物件は市場に出る前に決まることも。→ 条件を事前に固め、非公開物件も扱う仲介会社に早めに相談する。

利用時の注意点

メリットの多いセットアップですが、「賃料の割高感」と「レイアウト変更の制限」という2点は事前に理解しておきましょう。

賃料が割高になるケース

設備・内装が整っているぶん、賃料が高めに設定される場合があります。管理費・共益費を含めた月々のランニングコストで見ると、負担が想定より大きくなることもあります。デザイン性や立地へのこだわりが強いほど賃料は上がりやすい傾向です。予算計画では毎月の固定費を試算し、売上・成長見込みとのバランスをとることが大切です。ただし、内装工事費が不要な点まで含めてトータルで比較すると、必ずしも割高とは限りません。

レイアウト変更の制限

入居後の内装・レイアウト変更に制限があることが多い点も押さえておきましょう。管理会社やオーナーによっては、大がかりな間取り変更や設備追加ができない場合があります。造作が貸主の所有物であることが多いため、独自性を強く出したい場合は、変更が許可される範囲と退去時の原状回復・修繕の規定を事前に確認しておくと安心です。原状回復や契約の注意点は「セットアップオフィスの原状回復と契約の注意点」でも解説しています。

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条件(エリア・広さ・予算・入居時期・増床の見込み)を整理してご相談いただくと、非公開物件も含めてスタートアップに合う区画を比較しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

スタートアップにセットアップオフィスが向いているのはなぜですか?

内装工事が不要で初期費用とスピードを両立でき、限られた資金を事業に集中できるためです。採用や増床のフェーズでも、整ったオフィスと柔軟な区画対応が有利に働きます。

少人数でもセットアップオフィスは借りられますか?

小規模な区画も多く、数名規模から利用できる物件があります。将来の増員を見込むなら、区画変更や増床のしやすさもあわせて確認しておくと安心です。

成長して手狭になったらどうすればよいですか?

同ビル内での増床や、より広い区画への移転が選択肢になります。内装工事が不要なセットアップは、次の移転もスピーディに進めやすいのが利点です。

採用活動にオフィスは影響しますか?

候補者はオフィス見学や面接で職場環境を判断材料にすることがあります。整ったオフィスは入社意欲やエンゲージメントの向上に寄与し得ます。求人やサイトへの写真掲載でも訴求材料になります。

スタートアップの初期費用はどのくらいが目安ですか?

物件・エリア・広さにより幅がありますが、東京都心では坪単価の中央値が約26,000円/坪、広さの中央値が約45坪程度が一つの目安です(自社調べ)。セットアップは内装費が賃料に含まれ、まとまった工事費が不要なため初期費用が読みやすいのが特徴です。詳しくは費用の記事をご覧ください。

賃料が割高と聞きますが本当ですか?

設備が整っているぶん賃料は高めになりやすい傾向がありますが、内装工事費が不要な点まで含めてトータルで比較すると、割安になるケースもあります。管理費・共益費を含めた月々の固定費で判断するのがおすすめです。

入居後にレイアウトは変更できますか?

物件によって制限がある場合があります。造作が貸主の所有であることが多いため、変更可能な範囲と退去時の原状回復の条件を契約前に確認しておくと安心です。

リモートワーク・ハイブリッド勤務にも対応できますか?

Web会議ブースやフリーアドレスなど、ハイブリッドワークに合うレイアウトを備えた物件が増えています。全員分の固定席を持たない前提で面積を最適化するなど、働き方に合わせた選び方ができます。

セットアップと居抜き、スタートアップにはどちらが向いていますか?

スピードと設備の安定、費用の読みやすさを重視するならセットアップ、初期費用を極力抑えて個性を出したいなら居抜きが向く傾向です。両者の違いは比較記事で整理しています。

まとめ

成長スピードを止めないオフィス選びに、セットアップオフィスは有力な選択肢です。コスト・スピード・採用力の3点で成長企業と相性がよく、増床やリモートワークにも柔軟に対応できます。一方で、賃料の割高感やレイアウト変更の制限といった注意点は事前に押さえ、「今の人数」ではなく「次の半年〜1年の計画」を前提に選ぶことが失敗回避の鍵になります。

拡大フェーズの移転・増床は、条件(エリア・広さ・予算・入居時期)を整理したうえで、非公開物件も含めて比較できる仲介会社に相談するのが近道です。東京オフィスチェックは、東京都心のセットアップオフィスを仲介手数料無料でご案内しています。

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