【2026最新】中央区再開発マップ|最新坪単価相場と移転のベストタイミング
総務・経営企画の担当者として、オフィス移転の検討リストに「中央区」を加えている方は多いのではないでしょうか。東京駅を核に、八重洲・日本橋・京橋・築地・湾岸と連なる中央区は今、2040年代にわたる大規模再開発の真っ只中にあります。首都高の地下化、国際水準の複合ビル群の誕生、臨海地下鉄新線の計画——これだけの変化が同時に重なるエリアは、都内でも他に例がありません。グレードAオフィスの空室が枯渇しつつある現在、移転検討の着手が遅れるほど選択肢は狭まります。本記事では、各プロジェクトの進捗から賃料動向、移転時の実務ポイントまでを体系的にまとめました。移転先の選定や稟議資料の作成にお役立てください。
中央区再開発とは?東京駅・日本橋・湾岸を貫くプロジェクトの全体像

中央区では、東京駅周辺から日本橋川沿い、築地・湾岸エリアに至る広大な範囲で、複数の大規模再開発が同時並行で進んでいます。なぜこれほどの規模とスピードで開発が加速しているのか、その制度的背景とスケジュールを整理します。
首都高地下化と日本橋リバーウォークが都市構造を変える
中央区の再開発を語る上で欠かせないのが、首都高速道路日本橋区間の地下化事業です。1963年の開通以来、日本橋川の上空を塞いできた高架橋は、60年以上の老朽化に加え、歴史的景観を損なうとして長年課題とされてきました。2025年4月、八重洲線(神田橋JCT〜西銀座JCT)が2035年度まで長期通行止めとなり、地下化工事が次の段階へと移行しました。地下トンネルの完成は2035年度、高架橋の撤去完了は2040年度を予定しており、工事完了後には日本橋川沿いに水辺の公共空間が広がる「日本橋リバーウォーク」が実現します。
同時に廃止となった東京高速道路(KK線)の跡地は、歩行者中心のプロムナード「Tokyo Sky Corridor(空中回廊)」として再生される計画が進んでいます。地上・地下・空中の3層で東京駅周辺と銀座・築地を結ぶ立体的な歩行者ネットワークは、沿線エリア全体の回遊性と地価を底上げする大きな変数となります。
国家戦略特区・都市再生緊急整備地域が開発を加速させる仕組み
中央区の再開発がこれほど短期間に集中している背景には、法制度の後押しがあります。日本橋・八重洲エリアは「都市再生緊急整備地域」に指定されており、都市再生特別地区を活用することで容積率の大幅な緩和が認められます。さらに東京都内では、同制度と国家戦略特区を原則として併用する運用が定着しており、都市計画決定の手続きがワンストップ化されることで、プロジェクトの認可スピードが格段に上がる仕組みになっています。
この制度的優位が、都市再生機構(UR)・鹿島建設・住友不動産・阪急阪神不動産・ヒューリック・三井不動産(※1,2)など複数のデベロッパーによる大型投資を集中的に引き寄せています。通常の民間開発では実現が難しい敷地面積2ヘクタール超、延床面積数十万平米規模の超高層ミクストユース開発が相次いで計画・実現できる理由はここにあります。
※1「『八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業』着工」三井不動産 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2024/0826/
※2「八重洲二丁目中地区」Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E9%87%8D%E6%B4%B2%E4%BA%8C%E4%B8%81%E7%9B%AE%E4%B8%AD%E5%9C%B0%E5%8C%BA
全体スケジュールと主要マイルストーン
現在進行中の主要プロジェクトを時系列で整理すると、2025〜2026年に八重洲エリアの複数棟が相次いで竣工する第一波が到来します。続いて2028〜2029年にかけて八重洲二丁目中地区(延床約39万㎡)や八重洲一丁目北地区南街区が完成する第二波、さらに2030年代には日本橋川沿い5地区の再開発や築地跡地(全体竣工2038年度予定)が完了する第三波が続きます。
インフラ面では、2035年度の首都高地下トンネル開通、2038年度の築地再開発全体竣工、2040年度の高架橋撤去完了が最終的なゴールとなります。臨海地下鉄新線の開業も2040年頃が目標とされており、2040年を境に中央区の都市構造は大きく様変わりする見通しです。オフィス移転を検討する企業にとっては、この段階的な変化をどのフェーズで捉えるかが、意思決定の鍵を握ります。
中央区再開発の注目プロジェクトを5エリア別に紹介

中央区内の再開発は、立地・用途・竣工時期のいずれも異なる5つのエリアに分散しています。エリアごとの特色と代表プロジェクトを把握することが、移転候補地の絞り込みに直結します。
八重洲エリア──東京駅前3地区再開発とTOFROM YAESU・八重洲二丁目中地区
東京駅八重洲口周辺では、「東京駅前3地区再開発」として3棟の超高層ビルが順次完成しています。その先陣を切るのが、2025〜2026年度に竣工予定の「東京駅前八重洲一丁目東地区」2棟です。A地区(10階建て)とB地区(51階・高さ約250m)で構成される「TOFROM YAESU」は、国家戦略特区の特定事業として認定されており、東京駅八重洲中央口に直結するオフィス・医療施設・バスターミナル等を備えた複合ビルです。
続く集大成となるのが「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」で、2024年8月に着工しました。敷地面積約2ヘクタール、延床面積約39万㎡、地上43階・高さ約223.42mの規模を誇り、1フロア約6,300㎡(約1,900坪)超という都内最大クラスのオフィスフロアプレートを持ちます。オフィス(11〜38階)のほか、劇場・バスターミナル・インターナショナルスクール・サービスアパートメントが入居する純粋なミクストユース開発で、竣工は2029年1月末を予定しています。東京ミッドタウン八重洲・八重洲地下街・京橋エドグランと地下通路で接続し、東京駅〜銀座線京橋駅を繋ぐ歩行者ネットワークが完成します。
日本橋エリア──日本橋リバーウォーク5地区と東京ミッドタウン日本橋
「日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン2017」のもと、日本橋川沿いでは5地区が連携した再開発が進んでいます。中でも先行するのが「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」(※7,8)で、三井不動産・野村不動産が手掛ける3街区構成のプロジェクトです。C街区は地上52階・高さ約284m・延床面積約38万㎡の超高層ビルで、オフィス・ホテル・住宅・カンファレンス・MICE・ビジネス支援施設が一体化したミクストユース開発です。地下歩道を通じて東京メトロ日本橋駅に直結し、将来的には東京駅日本橋口への接続も計画されています。竣工は2026年9月30日を予定しています。
また、日本橋一丁目1・2番地区(東急不動産・三井不動産・日鉄興和不動産が参画)では、延床面積約27万㎡のA街区(2030年度竣工予定)と住宅主体のB街区が計画されています。首都高地下化と一体で進む日本橋川の水辺再生と、連続する超高層ビル群の整備により、日本橋エリアは国際金融・業務拠点としての機能を大幅に強化します。
※7「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 街区名称を『東京ミッドタウン日本橋』に決定」三井不動産 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2026/0421/
※8「日本橋一丁目中地区再開発」Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B%E4%B8%80%E4%B8%81%E7%9B%AE%E4%B8%AD%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E5%86%8D%E9%96%8B%E7%99%BA
京橋・銀座エリア──KK線再生とみどりのプロムナード構想
2025年4月に廃止となった東京高速道路(KK線)は、その高架跡地が「みどりのプロムナード」として生まれ変わる計画が進んでいます。京橋〜新橋間を結ぶ高架遊歩道「Tokyo Sky Corridor(空中回廊)」の整備を核に、沿線の京橋エリアでも大型再開発が連動しています。
京橋駅に近接する「京橋エドグラン」は既に完成済みですが、さらにKK線沿いでは国家戦略特別区域の特定事業として認定された超高層複合ビルの計画が進んでいます(※5,6)。地上35階・高さ約180mの同ビルにはオフィス・ホテル・アートセンターが入居予定で、KK線跡地の空中回廊と地下歩道、地上を縦に結ぶ立体的な動線整備により、銀座・築地・東京駅周辺のまちをシームレスにつなぐ新たな回遊軸が形成されます。
※5「東京・京橋に旧KK線と接続する35階建て複合施設 銀座一丁目至近」Impress Watch https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2095824.html
※6「京橋三丁目の再開発、旧KK線とつながる複合施設は2032年開業。東京駅から地下通路でアクセス可能」トラベル Watch https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/2095897.html
築地エリア──市場跡地の再開発と臨海地下鉄新線
2018年の豊洲移転以来、更地となっていた築地市場跡地の約19ヘクタールでは、三井不動産を代表とする11社の企業連合「築地まちづくり株式会社」が事業者に選定され、2025年3月に東京都と基本協定を締結しました。プロジェクト名は「ONE PARK×ONE TOWN」で、総事業費は約9,000億円規模です。
計画の目玉は5万人収容の多目的スタジアムですが、オフィス移転の観点で注目すべきはライフサイエンス分野のラボ&オフィス機能とMICE施設の整備、そして交通インフラの抜本的な改善です。東京駅〜有明・東京ビッグサイトを結ぶ「都心・臨海地下鉄新線」の新駅が築地地区に設置される計画があり、実現すれば東京駅から築地まで地下鉄1本でアクセスできるようになります。2026年度に基盤整備着工、主要棟の着工は2028年度、2032年度以降に順次開業し、全体竣工は2038年度を見込んでいます。
月島・勝どきエリア──湾岸タワー群と就業人口の増加
月島・勝どきエリアでは住宅系の超高層タワー開発が中心ですが、低層部の商業・保育施設の充実や人口増加に伴うオフィス需要の下支え効果が生まれています。「月島三丁目北地区」(地上58階、住宅1,285戸)や「月島三丁目南地区」(地上48階、住宅744戸)をはじめ、「勝どき東地区」(最大地上58階の複数棟構成)など大規模タワーが2026〜2030年度にかけて次々と竣工します。
居住人口の急増は、周辺エリアのコンビニ・飲食・保育施設の充実を促し、将来的には就業環境の整備にもつながる見通しです。湾岸エリアは現時点では純粋なグレードAオフィスの供給地としての役割は限定的ですが、臨海地下鉄の計画が具体化すれば、中央区全体の就業人口分布を大きく塗り替える可能性があります。
中央区再開発で完成済みの主要施設と街の変化

すでに開業を迎えた施設が中央区の街をどう変えたか。竣工済みの主要ランドマークの実態を把握することで、移転先として見込めるエリアの成熟度を判断できます。
東京ミッドタウン八重洲──東京駅直結の大規模ミクストユース施設
2023年3月に全館開業した「東京ミッドタウン八重洲」は、JR東京駅に地下直結する地上45階・地下4階建ての複合施設です。オフィス(基準階約2,200㎡)・商業施設57店舗・ブルガリホテル東京・インターナショナルスクール・バスターミナルが一体化したミクストユース型開発の先行事例として、開業からわずか1ヶ月で来館者数が約180万人に達したと報告されています。
既存のオフィス市場への影響という観点では、同施設のオフィス棟への入居テナントが旧入居ビルから退去することで、八重洲・日本橋周辺のBクラス・Cクラスビルに二次空室が発生しました。これは移転を検討する企業にとって、賃料条件が整った優良物件を取得しやすいタイミングと捉えることができます。バスターミナル東京八重洲(2022年9月開業の第1期)も稼働しており、高速バスによる広域交通機能がすでに日本最大級の規模で整っています。
COREDO室町テラス・日本橋高島屋S.C.が生んだ街の回遊性
日本橋エリアでは、三井不動産が進める「日本橋室町三丁目地区」の第一弾として2019年に開業した「COREDO室町テラス」が、エリア全体の商業回遊を大きく変えました。複合施設内に台湾のカルチャー発信スペース「誠品生活日本橋」が入居したことで、週末を中心に新たな客層を取り込むことに成功しています。また、「日本橋高島屋S.C.」の大規模増築により、東館を加えた総売り場面積は都内最大級の百貨店型商業施設へと成長しました。
これらの商業施設整備は、日本橋エリアへのオフィス移転を後押しする「従業員満足度」の向上という観点でも評価されています。ランチや買い物のアクセスが充実した職場環境は、採用力・定着率に直結する要因として、人事・総務担当者が移転候補地を評価する際の重要な指標となっています。
Torch Tower(常盤橋プロジェクト)──日本一の超高層ビルの進捗
三菱地所が主体となって進める「常盤橋プロジェクト」は、東京駅北側の常盤橋エリアで進む都内最大規模の再開発です。2021年に竣工した「常盤橋タワー」(地上38階)はすでに稼働中で、オフィス・商業・ホテルを擁する複合ビルとして存在感を示しています。そして同プロジェクトの集大成となるのが「Torch Tower(トーチタワー)」です。地上62階・高さ約385mと日本一の超高層ビルとなる予定で、2023年9月27日に着工しました。オフィス・ホテル・住宅・商業が入居する予定で、竣工は2028年度を見込んでいます。
なお、Torch Towerは厳密には千代田区大手町二丁目と中央区八重洲一丁目にまたがる立地ですが、八重洲エリアの再開発群と地下で接続されることから、中央区のオフィス市場に直接的な影響を与えるプロジェクトとして押さえておく必要があります。竣工後には常盤橋タワーとの間に約7,000㎡(※3,4)の大規模広場が整備され、東京駅北口周辺の歩行者空間が大きく変わります。
※3「高さ約385mの『Torch Tower』、地上階の鉄骨建方作業が開始 2028年完成予定」ITmedia BUILT https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2509/05/news087.html
※4「Torch Towerで地上階の鉄骨建方作業がスタート」三菱地所設計 https://www.mjd.co.jp/news/76256/
中央区再開発がオフィス市場に与える影響と賃料動向

大規模ビルの相次ぐ竣工は、中央区のオフィス市場全体の需給に複雑な変化をもたらしています。グレード別の坪単価や空室率の動向を正確に把握することが、移転タイミングの判断材料となります。
大規模ビル供給で進む賃料の二極化
東京都心部のオフィス市場は、現在「二極化」が顕著に進んでいます。グレードAオフィスの空室率は、2025年第3四半期末時点でコリアーズ・ジャパンの集計によると1.5%とほぼ満室状態にあり、JLLの調査では0.9%と事実上の空室枯渇が起きています。その結果、グレードAの平均成約賃料は月額坪当たり34,000〜37,000円台で推移しており、前年比で7〜15%の上昇という高い伸びを示しています。
中央区に限定すると、三幸エステートのデータ(2025年8月時点)でグレードA空室率は3.9%(前年同月比▲2.1ポイント)と都心5区の中では最も高い水準ですが、これは2024〜2026年にかけてTODA BUILDINGやTOFROM YAESUなどの大型新築ビルが相次ぎ竣工し、一時的に空室が積み上がっているためです。一方で募集賃料の上昇率は前年同月比+6.1%と都心5区の中で最大となっており、新築グレードAへの需要の強さが数字に表れています。
二次空室が生まれるメカニズムと移転のチャンス
再開発による大型ビルへの移転が相次ぐ局面では、旧来の中規模ビルに「二次空室」が生じます。これは、移転元テナントが退去した後の既存ビルの空室が市場に流れ出す現象で、賃料交渉余地が広がる機会です。中央区でも東京ミッドタウン八重洲・TODA BUILDINGへの大型テナント移転に伴い、八重洲・京橋・日本橋の既存中規模ビルで二次空室の発生が観測されています。
この二次空室を活用する移転戦略では、以下のポイントを押さえると有利な条件を引き出しやすくなります。
- 物件選定:移転テナントが出た直後の空室は交渉余地が最も大きく、フリーレント(賃料免除期間)や原状回復費用の分担交渉に応じてもらいやすい状況にあります。
- タイミング:新築グレードAが竣工する前後の6〜18ヶ月間が、二次空室の発生と需要の一時的な分散が重なり、最も条件交渉がしやすい時期です。
- 規模感:100〜500坪規模の中型移転ニーズに対しては、グレードAに次ぐBクラスビルで費用対効果の高い選択が可能です。2025年第2四半期時点のBクラスビル平均成約賃料は22,291円/坪と、グレードAの約65%の水準に留まっており、コスト圧縮の余地があります。
エリア別の坪単価相場と空室率の見通し
中央区内でも立地によって坪単価には大きな幅があります。東京駅直結の新築グレードAビルは月額坪単価30,000〜40,000円台が相場となる一方、八重洲・京橋・日本橋エリアの既存ビルでは14,000〜23,000円程度の幅で物件が流通しており、丸の内・大手町エリアと比べると割安感があります。
空室率の見通しについては、日本不動産研究所の予測によると2026年は新規供給が相対的に少なく、空室率はほぼ横ばい〜小幅低下の見込みです。ただし中央区では2029年の八重洲二丁目中地区竣工に向けて再び大型供給が予定されており、その前後に二次空室が生じる可能性があります。大型ビルへの移転需要は2028年竣工物件にまで先行して波及しているとの報告もあり、優良区画を確保する場合は竣工の2〜3年前から動き始めることが現実的な対応策です。
中央区再開発エリアへのオフィス移転で押さえるべきポイント

再開発が進む中央区へのオフィス移転を成功させるには、賃料相場だけでなく、交通動線の変化・建物性能・契約条件の3軸で候補物件を評価する視点が必要です。
歩行者ネットワークと交通利便性の変化を見極める
中央区の再開発で最も注目すべき変化の一つが、地下・地上・空中の3層にわたる歩行者ネットワークの整備です。現時点では東京ミッドタウン八重洲〜バスターミナル東京八重洲〜京橋エドグランが地下通路で繋がっており、2029年に八重洲二丁目中地区が完成すると、東京駅〜銀座線京橋駅間の地下接続がさらに充実します。日本橋エリアでも日本橋一丁目中地区の完成により、日本橋駅直結の地下歩行者ネットワークが完成します。
移転候補ビルを評価する際は、この地下接続の恩恵を受けられる位置関係かどうかを確認することが重要です。特に地上の出入口が多い旧来のビルでも、地下接続口の有無で雨天時の通勤快適性・来訪者の利便性が大きく変わります。また、2025年4月から八重洲線の長期通行止めが始まったことで、八重洲周辺の道路交通は一時的に変化しています。車利用の多い業種・来客の多い業態では、現地での動線確認が必須となります。
BCP性能・ZEB認証で選ぶ新築ビルのチェック項目
再開発で竣工する新築ビルの最大の強みは、既存ビルでは実現が難しい高いBCP性能と省エネ性能を標準で備えていることです。八重洲二丁目中地区の新ビルは非常用発電機と常用コ・ジェネレーションシステムを搭載し、停電時でも72時間は平常時の100%の電力供給が可能、72時間以降も50%の供給が継続できる仕様となっています。また、事務所用途における「ZEB Ready」認証の取得を目指して設計されており、基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減を目標としています。
入居ビルを選ぶ際のBCP・ZEB評価では、以下の項目を確認するとよいでしょう。
- 電源バックアップ:自家発電容量と継続時間(72時間以上が目安)
- エネルギー連携:複数ビルとのエネルギー共有による安定供給体制
- ZEB認証ランク:ZEB Readyか、より高い基準のZEB Nearly・ZEBかを確認
- 帰宅困難者対応:一時滞在施設の有無と収容規模
- 耐震性能:新耐震基準(1981年以降)か免震・制震構造かを確認
これらの要件は、上場企業のサステナビリティ報告書やBCP計画書への記載義務が強まる中で、単なる設備スペックを超えた経営上の必須要件となりつつあります。
フリーレント・原状回復など賃貸条件の交渉トレンド
グレードAオフィスの空室率が極めて低い現在の東京市場において、フリーレント交渉の余地は以前より縮小しています。ただし、中央区では二次空室を抱える既存ビルや、新築竣工直後の空室が残るタイミングでは依然として交渉の余地があります。現在の市場では竣工から入居まで3〜6ヶ月のフリーレントが既存ビルでの標準的な水準ですが、空室期間が長引いているビルでは6〜12ヶ月のフリーレントが提示されるケースも見られます。
原状回復については、大型の再開発新築ビルへの移転では「スケルトン渡し」での入居が基本となるため、自社でオフィス内装を造作するコストが発生します。一方で退去時の原状回復義務の範囲は、入居前の状態が「スケルトン」であれば交渉次第で内装残置(B工事扱い)を認めてもらえるケースもあります。賃貸借契約書の原状回復条項は必ず事前に確認し、工事区分(A工事・B工事・C工事)の境界線を明確にしておくことがトラブル防止の基本です。
再開発エリアへの移転は複雑な条件判断が伴うため、エリアの市況に精通した仲介会社や不動産コンサルタントと早期に連携し、2〜3年先を見据えた候補地選定を始めることをお勧めします。
まとめ:中央区再開発の全体像を踏まえて最適な移転タイミングを見極めよう
中央区では、八重洲・日本橋・京橋・築地・湾岸の5エリアにまたがる大規模再開発が2040年代まで続きます。首都高地下化やKK線再生、臨海地下鉄新線という交通インフラの刷新が重なることで、エリアの価値は段階的に、しかし確実に変化していきます。グレードAビルへの需要が旺盛な現状では、移転先の確保が遅れると選択肢が急速に狭まります。今後の竣工スケジュールと二次空室の発生タイミングを見据えながら、2〜3年先を視野に入れた早めの情報収集と候補地選定を始めることが、最適な移転を実現する第一歩となります。
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