港区の再開発でオフィス市場はどう変わる?注目エリアの竣工予定と移転戦略を解説

港区の再開発でオフィス市場はどう変わる?注目エリアの竣工予定と移転戦略を解説

東京都港区は今、日本の都市開発史上でも類を見ない変革期を迎えています。高輪ゲートウェイシティのまちびらきに始まり、虎ノ門ヒルズエリアの完成、麻布台ヒルズの本格稼働、そして浜松町では世界貿易センタービルの建替えが進行中と、港区内の主要エリアで大型プロジェクトが同時多発的に動いている状況です。こうした再開発の波は街の景観を変えるだけでなく、オフィスの供給量や賃料相場、さらには企業の立地戦略そのものに大きな影響を及ぼします。本記事では、港区の再開発の全体像を整理したうえで、各エリアの主要プロジェクトの特徴やオフィス市場への影響、そして移転を検討する企業が押さえておくべき実務的なポイントまでを一貫して解説します。港区への移転や港区内での拠点再編を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

港区の再開発はなぜこれほど大規模なのか?全体像をわかりやすく解説

港区では現在、都内で最も多くの市街地再開発事業が進行しています。ここでは、再開発が港区に集中する背景と制度的な要因、そして主要プロジェクトの竣工スケジュールを整理します。

都内最多の市街地再開発事業が港区に集中する背景

東京23区の中でも、港区は市街地再開発事業の件数が突出して多い自治体です。港区公式サイトの情報によると、完了済みのものだけでも六本木一丁目西地区、赤坂四丁目薬研坂地区、虎ノ門・六本木地区など十数件の第一種市街地再開発事業が記録されており、現在進行中の案件を含めるとその数はさらに増えます(※1)。

港区にこれほど再開発が集中する理由は大きく3つあります。第一に、戦災を免れた木造密集地域が区内各所に残っていたことです。三田小山町地区のように、戦前からの街並みが残り防災面の課題を抱えていたエリアでは、都市計画による地区計画の策定を経て段階的に再開発が進められてきました。第二に、高度経済成長期に建設されたオフィスビルや商業施設が築50年を超え、一斉に更新時期を迎えていることです。世界貿易センタービルディング(1970年竣工)の建替えはその象徴といえます。第三に、都市再生特別地区や特定街区といった都市計画制度を活用することで、通常よりも大きな容積率の緩和を受けられる仕組みが整っている点です。これにより、高層・大規模な複合開発が実現しやすい環境が港区には揃っています。

※1「市街地再開発事業|港区」 https://www.city.minato.tokyo.jp/toshikei/kankyo-machi/toshi/saikai/index.html

国家戦略特区が加速させる国際ビジネス拠点の形成

港区の再開発をさらに加速させているのが、国家戦略特別区域(国家戦略特区)の制度です。これは国による規制改革を集中的に推進し、産業の国際競争力強化と国際的な経済活動拠点の形成を図る仕組みで、港区内の複数のプロジェクトがこの特定事業に指定されています(※2)。

※2「国家戦略特別区域|内閣府」
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/index.html

具体的には、虎ノ門ヒルズエリアの各棟(ビジネスタワー、ステーションタワーなど)、BLUE FRONT SHIBAURA、そして2025年11月に都市再生プロジェクトへ新規追加された霞が関・虎ノ門地区の再開発などが国家戦略特区の枠組みの中で進められています。この制度のもとでは、都市計画の手続きが迅速化されるほか、外国人向けの生活環境整備やグローバル企業の誘致支援など、国際ビジネス拠点にふさわしい施策がパッケージで講じられます。港区の再開発が「単なるビルの建替え」にとどまらず、東京の国際競争力そのものを引き上げる都市戦略として位置づけられている背景には、この国家戦略特区の存在があるのです。

港区の再開発はいつ完成する?主要プロジェクトの竣工スケジュール一覧

港区で進行中の再開発プロジェクトは、それぞれ異なるタイミングで竣工・開業を予定しています。オフィス移転を検討する企業にとって、竣工スケジュールの把握は物件選定や移転計画の出発点となります。以下に主要プロジェクトの竣工予定を時系列で整理します。

<竣工済み・開業済み(2023〜2025年)>

  • 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー:2023年10月開業地上49階・高さ約266m
  • 麻布台ヒルズ 森JPタワー:2023年11月開業地上64階・高さ約330m
  • 高輪ゲートウェイシティ THE LINKPILLAR 1:2025年3月まちびらき(※3)
  • BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S:2025年2月竣工、同年9月全面開業(※4)

<2026〜2027年竣工予定>

  • 高輪ゲートウェイシティ THE LINKPILLAR 2:2026年3月グランドオープン
  • TORANOGATE(虎ノ門一丁目東地区):2027年10月竣工予定
  • 世界貿易センタービルディング新本館:2027年3月供用開始予定地上46階・高さ約234m(※5)

<2028年以降竣工予定>

  • 三田小山町西地区(南街区):2029年7月下旬竣工予定
  • 三田小山町西地区(北街区):2030年3月下旬竣工予定
  • 六本木五丁目西地区:2030年度竣工予定
  • BLUE FRONT SHIBAURA TOWER N:2030年度竣工予定

このように、港区の再開発は2025年から2030年代前半にかけて大型プロジェクトの竣工が連続する構造になっています。特に2027年前後は世界貿易センタービル新本館やTORANOGATEなど複数の大型オフィスビルが竣工を迎えるため、オフィス供給量が一時的に増加する見込みです。移転を検討する企業にとっては、この供給サイクルを理解したうえで計画を組むことが重要になります。

※3「高輪ゲートウェイシティ まちびらき|JR東日本」 https://www.jreast.co.jp/press/
※4「BLUE FRONT SHIBAURA|野村不動産」 https://www.nomura-re.co.jp/news/
※5「世界貿易センタービルディング建替え計画|世界貿易センタービルディング株式会社」 https://www.wtc-tokyo.co.jp/

港区の再開発で注目すべき5つのエリアと主要プロジェクト

港区の再開発は複数のエリアで同時並行的に進行しており、それぞれが異なるコンセプトと都市機能を備えています。ここでは、オフィス移転の観点から注目すべき5つのエリアの特徴と主要プロジェクトを解説します。

虎ノ門・新橋エリア──虎ノ門ヒルズ群とトラノゲートが形成するビジネス特区

虎ノ門・新橋エリアは、港区の再開発の中でも最も早くから動き出し、すでに都市としての骨格が完成しつつあるエリアです。森ビルが中心となって開発を推進してきた「虎ノ門ヒルズ」は、2014年の森タワー開業を皮切りに、ビジネスタワー(2020年)、レジデンシャルタワー(2022年)、ステーションタワー(2023年)と約9年で4棟を竣工させました。エリア全体の区域面積は約7.5ヘクタール、延床面積は約80万㎡に達し、六本木ヒルズに匹敵するスケールの「国際新都心・グローバルビジネスセンター」として機能しています。

ステーションタワーは東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と一体的に開発されており、基準階面積が約1,000坪という大型オフィスフロアを備えています。桜田通り上に架けられた幅20mの歩行者デッキ「T-デッキ」が各棟をバリアフリーで接続し、エリア内の回遊性を高めているのも特徴です。最上部には情報発信拠点「TOKYO NODE」が設けられ、ビジネス・アート・テクノロジーの融合拠点として機能しています。

さらに、虎ノ門駅直上では「TORANOGATE(トラノゲート)」の建設が進んでおり、延べ床面積約12万㎡(約36,300坪)のオフィス・カンファレンス・商業の複合施設が誕生します。霞が関の官庁街に隣接する立地を活かし、スタートアップ支援施設も整備される計画です。虎ノ門エリアは、グローバル企業の本社機能やコンサルティング企業、法律事務所など、国際ビジネスの中核を担う業種にとって最も競争力のある選択肢の一つといえるでしょう。

六本木・麻布台エリア──麻布台ヒルズの稼働状況と六本木五丁目西地区の大型計画

六本木・麻布台エリアでは、2023年11月に開業した「麻布台ヒルズ」が新たなランドマークとして存在感を示しています。中核施設である「森JPタワー」は地上64階・高さ約330mで、日本一の高さを誇る超高層ビルです。約8.1ヘクタールの敷地には、オフィス・住宅・ホテル・商業施設に加え、インターナショナルスクールや慶應義塾大学予防医療センターなどの教育・医療機能も集積しており、「職住学遊」が一体となった複合都市として設計されています。

このエリアで今後最も注目されるのが「六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業」です。六本木ヒルズの東側に隣接する約5.3ヘクタールの区域で、2025年度に権利変換計画認可と工事着工が予定されています。「第二六本木ヒルズ」とも称されるこの計画は、文化・商業・オフィスの複合開発となる見込みです。完成すれば、六本木ヒルズ・麻布台ヒルズとあわせて、六本木から神谷町にかけての広大なエリアが一体的な都市圏として機能することになります。クリエイティブ産業やメディア・エンターテインメント関連企業にとって、このエリアは引き続き高い訴求力を持つでしょう。

高輪・品川エリア──高輪ゲートウェイシティが牽引する交通ハブ型開発

高輪・品川エリアは、JR東日本が品川車両基地跡地で推進する「高輪ゲートウェイシティ」によって、港区の新たな都市拠点として急速に変貌しています。2025年3月のまちびらきを経て、駅直結のツインタワー「THE LINKPILLAR 1」のオフィス・商業エリアが稼働を開始しました。延床面積は約84万5,000㎡南北約1.6kmに及ぶ都内最大級のまちづくりプロジェクトです。

「Global Gateway」をコンセプトに掲げる本プロジェクトは、「環境」「モビリティ」「ヘルスケア」の3テーマを軸に構築されています。商業施設「ニュウマン高輪」は約200店舗が集積するルミネ史上最大規模の施設であり、高層部にはラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル東京」が入居しています。文化創造棟「MoN Takanawa」は隈研吾氏が外装デザインを手がけた実験的ミュージアムとして2026年3月28日に開館しました。さらに、住宅棟には847戸の賃貸住宅と東京インターナショナルスクールの新校舎が入る予定です。

このエリアの最大の強みは交通結節点としての機能です。JR山手線・京浜東北線に加え、将来的にはリニア中央新幹線(品川駅始発)による名古屋・大阪方面へのアクセスが見込まれます。羽田空港への近接性もあり、国内外への移動が多い企業にとっては極めて魅力的な立地です。

浜松町・芝浦エリア──世界貿易センタービル建替えとウォーターフロント開発

浜松町・芝浦エリアでは、「世界貿易センタービルディング新本館」と「BLUE FRONT SHIBAURA」という2つの大型プロジェクトが同時進行しており、エリア全体が交通結節点とウォーターフロントの融合する新都市拠点へと変わりつつあります。

世界貿易センタービルディング新本館は、1970年竣工の旧本館を建て替えるプロジェクトで、地上46階・高さ約234mの超高層ビルに生まれ変わります。9〜34階に1フロア約850坪のオフィスフロアが配置され、36〜46階には日本初進出のラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」が入ります。JR浜松町駅・東京モノレール・都営地下鉄に直結する交通結節機能を大幅に強化する計画で、3〜5階にはアトレの商業施設も整備されます。

一方、BLUE FRONT SHIBAURAは野村不動産とJR東日本が共同で推進する国家戦略特区事業です。旧東芝ビルディング(浜松町ビルディング)の跡地を含む約4.7ヘクタールに、高さ約230mのツインタワーを段階的に建設する計画で、TOWER Sはすでに竣工・開業しています。芝浦運河に面した船着場や緑道「GREEN WALK」など、ウォーターフロントならではの都市体験を実現している点が他エリアとの差別化要素です。TOWER Sのオフィス基準階面積は約1,500坪と港区内でも最大級であり、大規模な本社機能の集約を検討する企業にとって有力な候補となります。

赤坂・白金エリア──北青山三丁目や三田五丁目で進む複合再編

赤坂・白金エリアは、虎ノ門や六本木のような大規模再開発の集中エリアとは異なり、住居・商業・文化機能が混在する都心生活圏としての性格を強めつつあります。赤坂では2025年10月竣工予定の「赤坂トラストタワー」(森トラスト・NTT都市開発)が注目されています。赤坂ツインタワー跡地にオフィス・商業施設・ラグジュアリーホテル「1 Hotel Tokyo」が入る複合施設で、赤坂エリアのオフィス供給に新たな選択肢を加えます。

白金エリアでは、白金一丁目東地区の再開発が完了し、白金高輪駅周辺の都市機能が更新されています。また、三田五丁目や北青山三丁目でも住宅・オフィス・公共施設を複合した再編が進行中です。これらのエリアは、士業事務所や中小規模の企業本社、クリエイティブオフィスとしての需要にマッチしやすい特性を持っています。

港区の再開発でオフィス市場はどう変わる?空室率・賃料相場・企業動向を分析

港区の大規模再開発は、オフィスの供給量・空室率・賃料相場に直接的な影響を与えています。ここでは最新の市場データをもとに、港区オフィス市場の現状と今後の見通しを分析します。

港区のオフィス空室率は改善傾向──大量供給下でも需要が吸収される構造

2025年は東京都心部において過去最大級のオフィス供給が行われた年でした。大規模オフィスビルの新規供給面積は都心全体で約50万㎡に達し、その約7割が港区に集中したとされています。通常であれば大量供給は空室率の上昇を招きますが、実際の市場はそうした懸念を覆す動きを見せました。

JLLの調査によると、東京Aグレードオフィスの空室率は2025年第3四半期末時点で0.9%にまで低下し、コロナ前の2019年以来の0%台を記録しています。BLUE FRONT SHIBAURA TOWER Sは竣工時に約4割の空室を抱えていたものの、同年第3四半期末には空室率0%を達成しました。三鬼商事のデータでは、2026年3月時点の東京ビジネス地区(都心5区)の平均空室率は2.22%となっており、需給均衡の目安とされる5%を大幅に下回る状況が続いています(※6)。港区においても空室率は3%前後で推移しており、特に既存ビルでは即日入居可能な物件が極めて少ない「空室枯渇」の様相を呈しています。

※6「オフィスマーケットデータ 東京|三鬼商事」 https://www.e-miki.com/market/tokyo/

港区のオフィス賃料は上昇基調──坪単価29,474円の水準と他区との比較

東京オフィスチェックの2026年4月1日時点のデータによると、港区の平均坪単価は29,474円です(※7)。都心5区の中では渋谷区(33,701円)に次ぐ水準で、千代田区(24,056円)・中央区(24,208円)・新宿区(21,698円)を上回ります。

港区は虎ノ門・六本木・高輪ゲートウェイなどの新築ハイグレードビルの供給が多いため、グレードの高い物件を求めるのであれば実際の募集賃料はさらに上振れすることが多い点に留意が必要です。東京Aグレードオフィスの平均賃料は2025年第3四半期末時点で月額坪当たり約37,000円と前年比7.5%の上昇を記録しています。

※7 2026年4月1日時点で東京オフィスチェックに掲載中の46,989件の物件から該当エリアの物件賃料をもとに算出(かつ1985年以降に竣工のビルのみ)

大規模ビル竣工がもたらす二次空室の発生メカニズムと中小ビルの移転チャンス

港区の再開発で見逃せないのが「二次空室」の発生メカニズムです。二次空室とは、新築大型ビルへの移転に伴い、テナントが退去した既存ビルに生じる空室のことです。たとえば、ある企業が虎ノ門の新築ビルに移転すれば、従来入居していた築20〜30年のビルに空室が発生します。この空室は新築ビルよりも低い賃料で募集されるため、中小規模の企業にとっては港区の好立地にオフィスを構えるチャンスとなります。

現在の港区オフィス市場では、空室在庫のうちワンフロア100〜500坪の中規模区画が約65%を占めているとされています。一方、500坪超の大型区画の在庫は枯渇傾向にあり、大企業が新築ビルに集約する動きがさらに加速しています。2027年前後には世界貿易センタービル新本館やTORANOGATEの竣工が重なるため、既存ビルからの移転がさらに増加し、港区内の中小規模ビルで物件が出やすくなるタイミングが訪れる可能性があります。ただし、現在の需給環境では二次空室もすぐに埋まる傾向にあるため、早期の情報収集が不可欠です。

KDDIなど大企業の本社移転が港区に相次ぐ理由

港区への大企業の本社移転は近年加速しています。代表的な事例として、KDDIは2025年春に千代田区飯田橋の本社から高輪ゲートウェイシティ THE LINKPILLAR 1のNorth棟へ本社を移転し、同年7月に新本社を本格稼働させました(※8)。推定で約28,500坪のオフィスフロアを賃借するという大規模な移転です。また、CARTA HOLDINGSは2023年に渋谷と東銀座の2拠点を統合し、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに本社を移しています。

大企業が港区を選ぶ理由は複合的です。第一に、港区の新築ハイグレードビルは基準階面積が1,000坪を超える物件が多く、大規模な本社機能を一拠点に集約できます。分散していた拠点を統合することで、組織間のコラボレーション促進やオフィスコストの最適化が図れます。第二に、港区は羽田空港へのアクセスに優れ、将来的にはリニア中央新幹線(品川駅始発)による国内移動の利便性も見込まれます。グローバル展開を進める企業にとって、この交通ネットワークは重要な立地要件です。第三に、虎ノ門や高輪ゲートウェイといった再開発エリアには、商業・文化・ホテル・医療などの多様な都市機能が集積しており、従業員の働く環境としての魅力が高いことも移転の動機になっています。

※8「本社移転に関するお知らせ|KDDI株式会社」 https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/

港区の再開発エリアへオフィス移転する際に押さえたいポイント

港区の再開発動向とオフィス市場の分析を踏まえ、ここでは実際にオフィス移転を検討する際に押さえておくべき実務的なポイントを解説します。

竣工スケジュールから逆算して移転計画を組む方法

港区でオフィス移転を成功させるためには、大型ビルの竣工タイミングを起点に逆算して計画を組むことが重要です。具体的には、新築ビルが竣工する6〜12か月前から周辺の既存ビルで二次空室が出始めるケースが多いため、移転候補エリアの竣工スケジュールを把握したうえで、その半年前には仲介会社との連携を開始するのが望ましいでしょう。

たとえば、2027年3月の世界貿易センタービル新本館や同年10月のTORANOGATEの竣工を視野に入れるのであれば、2026年後半から浜松町・虎ノ門エリアの物件情報を積極的に収集する体制を整えるべきです。現在の港区オフィス市場は空室率が非常に低く、条件の良い物件は募集開始から短期間で成約するため、「物件が出たら検討する」という受動的な姿勢では好条件の物件を逃すリスクがあります。「この物件が出たら動く」という物件起点の柔軟な計画を持っておくことが有効です。

虎ノ門・六本木・品川・浜松町──エリア特性で選ぶ物件選びの着眼点

港区内の再開発エリアはそれぞれ異なる特性を持っているため、自社の業種・規模・働き方に合ったエリアを選ぶ視点が欠かせません。以下に、主要エリアごとの選定ポイントを整理します。

  • 虎ノ門:官庁街・大使館への近接性が高く、法律事務所・コンサルティング企業・公益法人に適する。坪単価は高めだが、国際的なブランド力がある
  • 六本木・麻布台:クリエイティブ産業やメディア・IT企業のプレゼンスが高い。商業・文化施設との近接性が従業員の満足度向上に寄与する
  • 高輪・品川:羽田空港アクセスに優れ、全国・海外出張が多い企業に最適。リニア開業後の将来性も評価ポイントとなる
  • 浜松町・芝浦:交通結節点としての利便性に加え、ウォーターフロントの開放感が魅力。TOWER Sの基準階約1,560坪など、大型フロアが確保しやすい
  • 赤坂・青山:ブランド力重視の中小企業やスタートアップに人気。坪単価は高いが、採用面での優位性が見込める

物件選びでは、賃料だけでなく「基準階面積・天井高・セキュリティグレード・BCP対応(非常用発電・制震構造など)・環境認証の有無」といったスペック面も確認することが大切です。港区の新築ビルの多くはLEED・CASBEE・WELL認証などの環境・健康性能認証を取得しており、ESG経営を重視する企業にとっては入居ビルの認証取得状況も意思決定の材料になるでしょう。

工事期間中の騒音・動線変更・景観変化など周辺環境リスクへの備え

港区の再開発エリアでは、複数のプロジェクトが同時に工事を行っている状況が今後も数年間続く見込みです。オフィス移転先を検討する際には、竣工済みの物件であっても周辺で進行中の工事による影響を確認しておく必要があります。

具体的なリスクとしては、工事に伴う騒音・振動、歩行者導線の変更による通勤ルートへの影響、工事車両の出入りによる周辺道路の渋滞、景観の変化に伴う来客動線のわかりにくさなどが挙げられます。たとえば、浜松町エリアでは世界貿易センタービル新本館の工事と東芝浜松町ビルの解体が並行して進んでおり、駅周辺の動線が一時的に変わるケースがあります。高輪ゲートウェイシティでも住宅棟や文化創造棟の追加開業に伴い、周辺の交通規制や動線変更が断続的に発生します。

こうしたリスクを事前に把握するためには、現地の視察を複数回行うこと、仲介会社やデベロッパーから周辺の工事スケジュール情報を入手すること、そして入居後の工事影響についてオーナー側に確認しておくことが重要です。再開発エリアの周辺環境は数年で大きく改善する場合が多い反面、入居直後の数年間は工事の影響を受ける可能性がある点を理解したうえで、移転の意思決定を行いましょう。

まとめ:港区の再開発の動向を把握しオフィス移転の最適なタイミングを見極めよう

港区の再開発は、虎ノ門・六本木・高輪ゲートウェイ・浜松町・赤坂といった複数のエリアで同時に進行する、東京でも類を見ない規模の都市変革です。国家戦略特区の制度的後押しもあり、単なるビルの建替えにとどまらず、国際ビジネス拠点としての都市機能が面的に整備されている点に特徴があります。オフィス市場では空室率が歴史的低水準を維持する一方、2027年前後の大型竣工ラッシュによって二次空室が発生する可能性も見込まれます。この供給サイクルを的確に読み、自社のニーズに合ったエリア・タイミングで動くことが、港区への移転を成功させるための要諦です。竣工スケジュールからの逆算や仲介会社との早期連携を通じて、最適な移転計画を組み立てていきましょう。

\ 専門スタッフにチャットで相談! /

希望条件をLINEで送るだけ。担当者が直接ご提案します

※24時間受付中(回答は営業時間内となります)

カテゴリー一覧

オフィス移転・物件探しを無料でサポートします

物件探しだけでは、オフィス移転は成功しません。

私たちは単なる「物件紹介会社」ではありません。オフィス移転にかかる費用総額を最小化する専門会社です。物件契約時の仲介手数料0円に加え、内装工事も中間マージンを排除した適正価格でご提案し、トータルコストを大幅に削減します。「希望の物件が見つからない」「移転費用を抑えたい」など、移転をお考えの方はメールまたはお電話でお気軽にご相談ください。