秋葉原に木造9階建てオフィスビル「KiGi AKIHABARA」が開業|サステナブル時代の新たなオフィス選びとは

サンケイビルは、東京都千代田区東神田に同社初となる木造中高層オフィスビル「KiGi AKIHABARA(キギ アキハバラ)」を開業しました。
「KiGi AKIHABARA」は、木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造を採用した地上9階建てのオフィスビルです。都市部では珍しい木造中高層オフィスとして、環境性能と快適な執務空間を両立した新しいオフィスのあり方を提案しています。
近年、企業のオフィス移転では「立地」や「賃料」だけでなく、ESG経営やウェルビーイングへの対応が重要視されています。本記事では、「KiGi AKIHABARA」の特徴と、バックオフィス担当者がオフィス選定時に注目すべきポイントを解説します。
木造×鉄骨のハイブリッド構造を採用
「KiGi AKIHABARA」の最大の特徴は、木造と鉄骨造を組み合わせたハイブリッド構造です。
建物中央のコア部分には鉄骨造を採用し、外周部を木造フレームとすることで、中高層オフィスに必要な耐震性・耐火性を確保しながら、木材の温かみや環境性能を最大限に活かしています。建設時には、同規模の一般的な鉄骨造ビルと比較して約59.1トンの鉄材を木材へ置き換え、建設時のCO2排出量を約112.3トン削減したとされています。
さらに、鉄骨には電炉材を採用し、再生可能エネルギーも活用するなど、建設から運用まで一貫した脱炭素への取り組みが行われています。企業がサステナビリティを重視する現在、このような環境配慮型オフィスへの注目は今後さらに高まるでしょう。
「木でつながる。人がかがやく。」というコンセプト
「KiGi AKIHABARA」のコンセプトは、「木でつながる。人がかがやく。」です。
単に木造建築というだけではなく、木材を活用した空間づくりを通じて、人と人との交流や創造性を高めることを目指しています。共用ラウンジやエントランスには国産木材や木製家具が配置され、自然の温もりを感じられるデザインを採用しています。
また、木質耐火部材や構造材をあえて見せる設計にすることで、建物そのものが木の魅力を感じられる空間となっています。オフィスが単なる執務スペースではなく、社員の働きやすさや心理的な快適性を高める場所へと変化していることがうかがえます。
サステナビリティを「体験」できるオフィス
「KiGi AKIHABARA」は環境性能だけでなく、入居企業や利用者がサステナビリティを体験できる仕掛けも充実しています。
例えば、
- 親子向けの「森ごとクレヨン」制作ワークショップ
- 森林保全を学ぶセミナー「KiGi Sustainable Open LAB」
- 苗木を育てて森林へ返す「MODRINAE(戻り苗)」プロジェクト
など、オフィスを起点とした環境活動を継続的に実施しています。
これらの取り組みは、社員の環境意識向上だけでなく、企業のESG活動やCSR活動にも活用できる可能性があります。近年は採用活動においても企業の環境への取り組みを重視する求職者が増えており、このようなオフィスは企業ブランド向上にも寄与すると考えられます。
木造オフィスでも高い安全性能を実現
木造建築というと耐火性や耐震性を心配する声もありますが、「KiGi AKIHABARA」では最新技術によって高い安全性能を確保しています。
構造部材には熊谷組の木質耐火部材「環境配慮型λ-WOOD II(ラムダウッド・ツー)」を採用。耐火被覆の石膏ボードを接着剤ではなく留付材のみで固定することで、解体時に木材と石膏ボードを分別でき、リサイクル性を高めています。
さらに、最上階の柱には熊谷組がホルツストラと共同開発した鉄骨部材「ドレスウッド」を日本で初めて採用。ブレースには熊谷組が住友林業・東京電機大学と共同開発した「KS木質座屈拘束ブレース」を導入しています(設計・施工は熊谷組)。これらの取り組みは国土交通省の「優良木造建築物等整備推進事業」にも採択されており、今後の都市型木造オフィスのモデルケースとして注目されています。
秋葉原エリアならではの立地メリット
「KiGi AKIHABARA」は、東京メトロ日比谷線「秋葉原」駅、都営新宿線「岩本町」駅、JR「浅草橋」駅から徒歩6分という利便性の高い立地にあります。
秋葉原エリアはIT企業やスタートアップ企業が集積するエリアとして知られ、東京駅や大手町、日本橋へのアクセスも良好です。そのため、営業活動や採用活動、取引先との打ち合わせなど、多様なビジネスシーンに対応しやすい立地といえるでしょう。
また、神田や浅草橋エリアにも近く、多様な企業やクリエイターとの交流機会が期待できる点も魅力です。
バックオフィス担当者が注目すべきポイント
今回の「KiGi AKIHABARA」は、これからのオフィス選びに新しい価値観を提示しています。
特に注目したいポイントは以下の3点です。
- ESG経営への貢献 環境配慮型オフィスへの入居は、企業のサステナビリティ方針を社内外へ示す取り組みとして活用できます。
- 社員満足度の向上 木の温もりを感じられる空間や交流スペースは、ウェルビーイングやコミュニケーション活性化につながります。
- 企業ブランディング 環境性能の高いオフィスは、採用活動や取引先への印象向上にも効果が期待できます。
オフィスは単なる「働く場所」から、「企業価値を高める経営資産」へと進化しています。今後の移転では、立地や賃料だけでなく、環境性能や社員体験といった視点も重要な判断基準になるでしょう。
担当マーケターの視点から
「KiGi AKIHABARA」は、木造建築という話題性だけでなく、「企業ブランドを高めるオフィス」という新たな価値を提示している点が印象的です。近年は採用市場においても、給与や福利厚生だけではなく、企業がどのような価値観で事業を展開しているかが重視されるようになっています。その中で、環境配慮型オフィスへの入居は、ESG経営やSDGsへの姿勢を分かりやすく発信できる強力なブランディング施策になります。また、木質空間による心理的な快適性やコミュニケーション促進は、社員エンゲージメント向上にも寄与するでしょう。今後のオフィス移転では、「賃料の安さ」や「駅からの距離」だけではなく、「そのオフィスが企業価値をどれだけ高めるか」という視点がますます重要になります。「KiGi AKIHABARA」は、その変化を象徴する先進的なオフィスビルとして、多くの企業から注目を集める存在になると感じました。
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