【2026年最新】都心5区のオフィス空室率が2.07%まで低下|今後の移転市場と賃料動向を解説

都心5区のオフィス空室率が2カ月連続で改善|移転を検討する企業が今知っておくべき市場動向
オフィス移転を検討している企業にとって、「今は借り手市場なのか、それとも貸し手市場なのか」を把握することは非常に重要です。
2026年5月に三鬼商事が発表した最新のオフィス市況調査によると、東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の平均空室率は2.07%となり、2カ月連続で低下しました。また、平均賃料も28カ月連続で上昇しており、都心オフィス市場の回復基調が鮮明になっています。
本記事では、最新データをもとに都心オフィス市場の現状を整理し、移転を検討するバックオフィス担当者が押さえておきたいポイントを解説します。

都心5区の空室率は2.07%まで低下
三鬼商事の調査によると、2026年5月時点の都心5区平均空室率は2.07%でした。
前月比では0.13ポイント低下し、2カ月連続で改善しています。
空室率はオフィス市場の需給バランスを示す重要な指標です。
一般的に、
- 5%以上:供給過多
- 3〜5%:均衡状態
- 3%未満:需要優勢
といわれています。
今回の2.07%という数値は、都心オフィス市場が非常に引き締まった状態であることを意味します。
企業による解約や縮小移転も一部で見られましたが、それ以上に増床や新規拠点開設の需要が強く、結果として空室面積は約1万800坪減少しました。
コロナ禍以降、「オフィス不要論」が語られる場面もありましたが、実際には企業活動の活発化に伴い、オフィス需要が回復していることがうかがえます。
オフィス需要回復の背景
空室率低下の大きな要因となっているのが、企業によるオフィスの再評価です。
近年はリモートワークやハイブリッドワークが定着した一方で、社員同士のコミュニケーション不足や新入社員の育成課題、組織文化の醸成やイノベーション創出といった課題が顕在化しています。
その結果、多くの企業がオフィスの役割を見直し始めています。従来のように単なる執務スペースとしてではなく、
- コラボレーションの場
- 採用ブランディングの場
- 社員エンゲージメント向上の場
としてオフィスを活用する企業が増えています。
今回のデータで増床需要が目立ったことも、こうした流れを裏付ける結果といえるでしょう。
賃料は28カ月連続で上昇
空室率の低下に伴い、賃料も上昇を続けています。2026年5月の都心5区平均賃料は、22,845円/坪となりました。
前月から391円上昇し、28カ月連続のプラスとなっています。
オフィス市場では一般的に空室率が低下すると賃料が上昇する傾向があります。
現在はまさにその状態であり、貸主優位の市場環境に移行しつつあると考えられます。
特に人気エリアや大型ビルでは条件の良い区画から埋まる傾向が強く、移転を検討している企業にとっては早めの意思決定が求められる局面といえるでしょう。
新築ビル市場の状況
興味深いのは、新築ビルの空室率も改善している点です。
2026年5月時点での新築ビル空室率は11.78%となり、前月比0.33ポイント低下しました。
同月には新築ビル2棟が竣工しましたが、1棟は満室で竣工、1棟は一部空室ありという状況でした。
さらに、竣工から1年未満の新築ビルでも中小規模の成約が進んでおり、新しいオフィスへの需要が高いことが分かります。
企業がオフィス移転に求める条件も変化しています。
現在は、BCP対応、省エネ性能、ウェルビーイング対応、コミュニケーションスペースなどが重視される傾向があり、新築ビルはこうしたニーズに応えやすいことから高い人気を集めています。
大阪市場も回復傾向
東京だけでなく、大阪オフィス市場も回復基調を見せています。
大阪ビジネス地区の平均空室率は3.04%となり、前月から0.05ポイント改善しました。
平均賃料は13,239円/坪となり、15カ月連続で上昇しています。ただし、新築ビルの空室率は27.76%と高い水準にあります。
これは大型ビルの新規供給が続いているためで、今後も一定期間は借り手に有利な交渉余地が残る可能性があります。東京と比較すると、大阪はまだ選択肢が豊富な市場といえるでしょう。
バックオフィス担当者が今考えるべきこと
今回の調査結果から見えてくるのは、「都心オフィスの獲得競争が再び始まっている」という現実です。
空室率2%前後という水準は、企業にとって必ずしも有利な市場環境ではありません。
そのため移転を検討している企業は、契約更新期限の確認、将来の人員計画の整理、必要面積の再検討、エリア選定の見直しを早めに進める必要があります。
また、最近はセットアップオフィスや居抜きオフィスなど、初期費用を抑えながら移転できる選択肢も増えています。
市場が活況なタイミングだからこそ、「賃料」だけでなく、「採用力」「社員満足度」「企業ブランド向上」といった観点から総合的に判断することが重要です。
まとめ
2026年5月の都心5区オフィス市場は、空室率2.07%、平均賃料22,845円/坪と、引き続き需要の強い状況が続いています。
増床や新規拠点開設の動きが活発化し、オフィス市場はコロナ禍以降の回復フェーズから成長フェーズへ移行しつつあります。
移転を検討する企業にとっては、希望条件の物件確保が今後さらに難しくなる可能性もあります。だからこそ、早い段階から情報収集を進め、自社の働き方や成長戦略に合ったオフィス選びを進めることが重要になるでしょう。
担当マーケターの視点
今回のデータで注目すべきなのは、単なる空室率の低下ではなく、「企業がオフィスに再投資し始めている」という点です。コロナ禍ではリモートワークの普及によりオフィス縮小が進みましたが、現在はコミュニケーションや企業文化形成、採用強化を目的にオフィスを再構築する企業が増えています。
特に人材獲得競争が激化する中で、オフィスは企業ブランディングの重要な接点になっています。求職者が会社を選ぶ際、給与や福利厚生だけでなく、働く環境や立地も評価対象となるためです。実際に都心のハイグレードビルへの移転によって応募数や内定承諾率が向上した事例も少なくありません。
バックオフィス担当者は、賃料や坪数といった不動産目線だけでなく、「採用」「定着」「生産性」「企業価値向上」といった経営視点でオフィス戦略を考える必要があります。今後のオフィスはコストセンターではなく、企業成長を支える投資対象として捉える企業がさらに増えていくのではないでしょうか。
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