六本木・虎ノ門エリアのオフィス環境とは?大街区のエリアマネジメントと移転で見るべき街の価値

六本木・虎ノ門エリアでは、複数の企業や施設が連携して街全体の価値を高める「エリアマネジメント」の取り組みが進んでいます。
その中心となるのが、日鉄興和不動産、森トラスト、森ビルなどが参画する「大街区協議会」です。個々のオフィスビルだけでなく、周辺の緑地や広場、歩行者ネットワーク、文化施設などを含めてエリア全体の魅力を高めることを目指しています。
オフィス移転を検討する企業にとって、賃料や駅からの距離だけでなく、「その街でどのように働けるか」という視点が重要になるなか、大街区の取り組みは注目しておきたい事例です。
六本木・虎ノ門「大街区」とは?
大街区は、外堀通り、桜田通り、外苑東通り、放射1号線(六本木通り)に囲まれた約75haのエリアです。
住宅やオフィスに加えて、ホテル、文化・芸術施設、大使館など、多様な都市機能が集積しています。
1986年の「アークヒルズ」の竣工や、林野庁職員用宿舎用地の土地利用転換などを契機として、エリアのまちづくりが本格化しました。その後、官民が連携しながら都市基盤や歩行者・自動車ネットワーク、広場、緑地、公園などの整備が進められています。
特徴的なのが、都市部でありながら緑が多いことです。2022年時点の緑被率は20.17%で、約40年間で約2倍となっています。現在では、鳥類が採餌や営巣、子育てをする姿も見られるようになりました。
「ハード」から「ソフト」へ進むエリアマネジメント
大街区協議会は、エリア全体の価値向上を目的として2023年3月に設立されました。
鹿島建設、住友不動産、日鉄興和不動産、ホテルオークラ東京、森トラスト、森ビル、霊友会の7社が会員として参加し、港区と区域内の民間事業者が、開発事業や土地利用、街並み整備などについて意見交換・協議を行ってきた経緯があります。
これまでにも、エリアの魅力を紹介する「お散歩MAP Green&Life」や、緑や自然をテーマにした「大街区に暮らす鳥たち」を制作してきました。
つまり、これまでの都市開発で整備してきた「建物」「道路」「緑地」などのハード面に加えて、イベントや情報発信といったソフト面からも街の魅力を高めようとしているのが特徴です。
オフィスワーカー向け「GREEN TREK」を開催
こうした取り組みの一つとして実施されるのが、自然観察ツアー「GREEN TREK」です。
大街区で働くオフィスワーカーを対象に、エリア内の豊かな緑や自然に触れてもらい、街への愛着を育むことを目的としています。
専門家の案内を受けながら、「赤坂インターシティAIR」「アークヒルズ」「東京ワールドゲート」などを中心に散策します。
地域に残る巨樹や、江戸時代の溜池を継承・再生した緑地、音楽ホールなどの屋上に広がるガーデンなどを巡る内容です。
オフィス移転を検討する企業にとっては、こうした取り組みも「働く環境」の一部として捉えることができます。
オフィス移転では「周辺環境」も重要に
これまでオフィス移転の判断材料といえば、賃料、面積、駅からの距離、設備など、オフィスビルそのものの条件が中心でした。
しかし、働き方が多様化した現在では、オフィスの外側にある環境も無視できません。
例えば、仕事の合間に緑のある場所でリフレッシュできるか、社員同士が交流できる場所があるか、ランチや仕事終わりに利用できる施設が充実しているかといった周辺環境は、従業員の働きやすさにも関係します。
特にハイブリッドワークが普及し、出社すること自体に明確な意味が求められるようになった企業では、「わざわざ出社したくなる街か」という視点も、オフィス選びの一つの基準になりそうです。
エリア全体の価値は企業ブランディングにも影響
六本木・虎ノ門エリアは、ビジネスだけでなく、ホテル、文化・芸術施設、緑地などが集まる複合的な都市環境を形成しています。
こうした街の特徴は、企業のブランディングにも活用できます。
例えば、来訪者との打ち合わせや採用面接の際に、オフィスだけでなく周辺の街並みや施設を含めて企業の印象が形成されることがあります。
また、社員にとっても、働く場所の周辺環境は日々の満足度に影響します。
そのためオフィス移転では、「ビルが優れているか」だけではなく、「そのビルがある街にどのような価値があるのか」まで確認することが重要です。
まとめ
六本木・虎ノ門の大街区では、長期的な都市基盤の整備に加えて、エリアマネジメントによるソフト面の取り組みが進められています。
自然や緑、文化、交流などを含めた街全体の魅力を高めることで、オフィスワーカーがより快適に働ける環境づくりを目指しています。
オフィス移転を検討する企業は、賃料やアクセスだけで比較するのではなく、従業員がどのような時間を過ごせるのか、企業としてどのような印象を発信できるのかという視点から、周辺エリアの将来性にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
担当マーケターの視点から
マーケティングの視点から見ると、大街区の取り組みで興味深いのは、「オフィスビル」ではなく「街そのもの」を企業価値の一部として捉えられる点です。
現在のオフィスは、単に社員が業務を行う場所ではありません。採用候補者が訪れ、顧客と商談し、社員同士が交流するなど、企業とさまざまなステークホルダーが接触するリアルな接点になっています。
そのため、緑地や文化施設、飲食店、交流イベントなどが充実したエリアにオフィスを構えることは、従業員満足度だけでなく、採用やブランディングにもつながる可能性があります。
特にハイブリッドワークの普及によって「なぜ出社するのか」が問われる現在では、オフィス内部だけでなく、周辺の街まで含めて出社体験を設計することが重要です。大街区のようなエリアマネジメントは、これからのオフィス移転を考えるうえで、一つのモデルケースになりそうです。
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