【2026年最新】池袋の再開発を徹底解説|オフィス移転前に知っておきたい5つの変化
池袋駅の周辺では今、性格の異なる複数の再開発計画が同時に動いています。移転先の候補として気になってはいるものの、「どのビルがいつ完成するのか」「賃料は今後どこまで上がるのか」「今動くべきか、様子を見るべきか」といった点が分からず、判断を先送りにしてしまう総務・経営企画のご担当者様も少なくありません。本記事では、各プロジェクトの規模や竣工時期といった基礎情報から、オフィス市場への影響、実際に移転を進める際の注意点までを、賃貸オフィス仲介の現場目線で順を追って解説していきます。移転計画を立てる際の判断材料として、ぜひお役立てください。
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池袋の再開発の全体像|西口・東口・南池袋で今何が起きているか

池袋では現在、西口・東口・南池袋の3エリアで大規模な再開発が同時並行的に進んでいます。まずは各プロジェクトの位置づけと、竣工までの流れを俯瞰しておきましょう。
池袋駅周辺の再開発マップと竣工までのスケジュール
池袋駅はJR・私鉄・地下鉄あわせて8路線が乗り入れる都内屈指のターミナル駅であり、乗降者数は新宿駅に次ぐ全国有数の規模を誇ります(※5)。この駅を取り囲むように、西口では「池袋駅西口地区再開発」と「池袋駅直上西地区第一種市街地再開発事業」、駅直結の「IT tower TOKYO」が進行し、東口・南池袋では「東池袋一丁目地区」と「南池袋二丁目28番街区地区」の再開発が控えています。
竣工時期は事業ごとに大きく異なる点に注意が必要です。(※1)
- IT tower TOKYO:2025年12月竣工、2026年3月開業
- 東池袋一丁目地区:2028年7月下旬完了予定
- 南池袋二丁目28番街区地区:2031年度末頃竣工予定
- 池袋駅西口地区再開発:2043年度全体竣工予定(当初計画)
短期で入居できる新築ビルから、10年超先を見据えた大型再開発まで時間軸が幅広いため、移転検討時にはどの事業がいつ形になるかを個別に把握しておくことが重要です。
池袋の再開発を後押しする国家戦略特区・都市計画の背景
池袋駅周辺は2015年に国から「特定都市再生緊急整備地域」の指定を受けており、これが再開発を加速させる制度的な後押しとなっています。この指定により容積率制限の緩和や都市計画決定手続きの円滑化といった支援措置が適用され、老朽化した商業ビル・オフィスビルや木造密集エリアの更新が進めやすくなりました。
実際、東池袋一丁目地区では都市再生特別地区の指定によって容積率の最高限度が1,200%に定められており(従前の指定容積率は800%・700%、加重平均約706%)、高度利用による大規模開発を可能にしています。豊島区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」という将来都市像も、こうした制度面の後押しと一体で進められている点が池袋の再開発の特徴です。
新宿・渋谷の再開発との違いから見る池袋の特徴
同じ副都心である新宿・渋谷と比較すると、池袋の立ち位置がより明確になります。新宿は都庁を中心に行政機能と大企業本社が集積する「メガビジネス都市」、渋谷はIT・スタートアップ企業が集うことで知られる「クリエイティブ都市」と位置づけられます。一方の池袋は、JR・私鉄・地下鉄8路線という広域からのアクセス性を武器に、住宅・教育・文化・オフィスがバランス良く共存する「生活密着型の副都心」という色合いが強いエリアです。
再開発の進行度合いでは新宿・渋谷にやや先行を許していますが、これから2020年代後半にかけて大型オフィスの供給が本格化する点は、他の副都心にはない池袋固有の伸びしろといえます。
池袋駅西口エリアの再開発プロジェクトを解説

西口エリアでは、超高層複合ビルの新築計画から駅直結の既竣工ビルまで、性格の異なる3つの再開発が進行しています。
池袋駅西口地区再開発(A〜C街区)の規模と用途
「池袋駅西口地区再開発計画」は区域面積約6.1haという広大な敷地で進む大型プロジェクトで、A街区からD街区に分かれています。A〜C街区にはそれぞれ超高層ビルが計画されており、規模は以下の通りです。
- A街区:地上41階・地下4階、高さ約220m、用途は事務所・商業・情報発信施設など
- B街区:地上50階・地下5階、高さ約270m、用途は事務所・商業・宿泊施設・駅施設など
- C街区:地上33階・地下6階、高さ約185m、用途は事務所・商業・宿泊施設・住宅など
敷地面積は約33,420㎡、延床面積は約582,700㎡に及び(※2)、D街区では既存の池袋西口公園を再整備する計画です。当初は2027年度の解体工事着手が予定されていましたが、現在は2030年度の着工、2043年度の全体竣工を目指すスケジュールとなっています(※1)、街の姿が段階的に変わっていくことになります。
IT tower TOKYOのオフィス仕様と特徴
「IT tower TOKYO」は、1977年開業の池袋マルイ跡地に建設された地上27階・地下4階、高さ約140mの複合ビルで、2025年12月に竣工し、2026年3月14日に開業しました。池袋駅とは地下通路で直結しており、雨に濡れずにオフィスロビーまでアクセスできる利便性を備えています。
オフィスフロアは基準階で963.20㎡(約291坪)と大空間を確保しており、一部フロアは最大3分割に対応です。天井高3,000mmの整形無柱空間に加え、ZEB Readyの取得やグリーン電力の採用など環境配慮性能も備えており、大規模オフィスの供給が不足していた池袋エリアにとって、質・量の両面で存在感のある新築ビルとなっています。
池袋駅直上西地区第一種市街地再開発事業の狙い
東武百貨店の一部を含む約1.6haの区域で進む本事業は、駅直近にアート・カルチャーの発信拠点や人々が滞留できる歩行者空間が不足しているという課題への対応を目的としています。デッキレベルで駅と周辺のまちをつなぐ歩行者空間を整備し、商業機能や駅機能を更新することで、大規模ターミナルとしての防災性向上もあわせて図る計画です。
単なるビルの建て替えではなく、駅と街の回遊性そのものを底上げする点が、この事業の狙いといえます。
池袋駅東口・南池袋エリアの再開発プロジェクトを解説

西口が超高層オフィスの新規供給を担う一方、東口・南池袋エリアでは文化機能とオフィスを組み合わせた複合開発が進んでいます。
東池袋一丁目地区再開発の概要と竣工時期
「東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業」は、池袋駅東口の明治通り沿い、施行区域約1.5ha(施設建築物の敷地面積約9,900㎡)で進む事業です。地上31階・地下4階、高さ約175mの超高層ビルが計画されており、延床面積は約155,561㎡(うち容積率算定対象は約118,800㎡)にのぼります。事業主体は東池袋一丁目地区市街地再開発組合で、住友不動産が参加組合員として関わっています。
2022年7月に組合設立が認可され、2025年5月に着工、完了予定は2028年7月下旬です。建物内にはオフィスに加えてイベントホールや文化体験施設が低層部に配置される計画となっています。
南池袋二丁目28番街区地区の計画内容
「南池袋二丁目28番街区地区」では、地上20階・地下1階、高さ約110m、延べ面積約43,000㎡の複合施設の建設が計画されています。低層部に広場や店舗、中高層部にオフィスを配置する構成が想定されており、2026〜2027年度に事業認可や権利変換計画認可を経て、2028年度頃の着工、2031年度末頃の竣工を目指すスケジュールで進んでいます。
東池袋一丁目地区に比べて着工・竣工とも先の話にはなりますが、南池袋エリアの街区が一体的に更新される点で、中長期的な移転先候補として注目されています。
東口エリアが目指す国際アート・カルチャー都市構想
東池袋一丁目地区の整備方針で特徴的なのは、単なるオフィス供給にとどまらず、豊島区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」の拠点形成を担っている点です。敷地内には合計約4,900㎡(有効空地率約49%)の広場空間が確保され、南側に近接する文化施設と連携した回遊性の高い街づくりが計画されています。あわせて豊島区が運行する電気バス「イケバス」の運行拠点も整備される予定で、地域交通のハブとしての機能もあわせ持つことになります。
池袋の再開発でオフィス市場(賃料・空室率)はどう変わるか

大規模な再開発が進むエリアでは、オフィスの賃料相場や空室率にも変化が生じやすくなります。ここでは池袋エリアの市場動向を整理します。
再開発後に見込まれる坪単価・賃料相場の変化
三鬼商事の調査によると、東京ビジネス地区(都心5区)の平均賃料は上昇が続いており、2026年7月時点で月坪あたり23,287円に達しています(※3)。これに対して池袋エリアの賃料相場は、規模の大きい区画ほど高くなる傾向はあるものの、都心5区の水準と比べると全体的に抑えられており(※4)、新宿・渋谷など他の副都心と比べても割安な水準にとどまっているのが現状です。
ただし、IT tower TOKYOのような新築グレードAビルが供給されたことで、池袋エリア内でも築古ビルと新築ビルの賃料差が広がりつつあります。今後、東池袋一丁目地区などの新築供給が続くにつれて、エリア全体の平均賃料も緩やかに上昇していくことが見込まれます。
グレードAビル供給が空室率と二次空室に与える影響
東京都心5区の空室率は2026年7月時点で1.95%と、2%を下回る歴史的な低水準にあり(※3)、希望エリアでの物件確保が難しい状況が続いています。池袋エリアでも大型新築ビルの供給は限られてきたため、大規模フロアを求める企業にとっては選択肢が乏しい状態が続いてきました。
今後、IT tower TOKYOや東池袋一丁目地区といった新築ビルが順次稼働することで、テナントが新築ビルへ移転した後に生じる既存ビルの「二次空室」が発生しやすくなります。二次空室は立地や築年数によっては賃料交渉の余地が生まれやすく、コストを抑えたい企業にとってはむしろ狙い目となるケースもあります。
竣工前後で異なるフリーレントなど交渉条件の変化
新築ビルは竣工直後、テナント誘致を優先する段階でフリーレントなどの条件面で柔軟な交渉に応じやすい傾向があります。一方、稼働率が上がり満室に近づくにつれて、条件は徐々にオーナー側に有利な内容へと変化していきます。
池袋のように複数の新築ビルが数年おきに竣工していくエリアでは、竣工直後のタイミングを狙えるかどうかで、初期費用や賃料条件に差が出やすい点を押さえておく必要があります。
池袋の再開発エリアへのオフィス移転で押さえておきたいポイント

再開発の全体像と市場動向を踏まえたうえで、実際に移転を検討する際の実務ポイントを整理します。
移転タイミングを見極める考え方
池袋エリアは再開発の進行段階によって選択肢の性格が異なります。すでに竣工しているIT tower TOKYOのようなビルはすぐに入居検討が可能な一方、東池袋一丁目地区や南池袋二丁目28番街区地区は2028年度以降の竣工となるため、中長期的な移転計画の中に組み込む必要があります。
- 短期で移転したい場合:既竣工または竣工間近の新築ビルを軸に検討する
- 数年先を見据える場合:再開発エリアの竣工スケジュールを継続的に確認する
- 賃料上昇前に押さえたい場合:新築ビル稼働直後の募集開始タイミングを狙う
原状回復費用など移転コストへの備え方
近年は物価上昇の影響で原状回復費用が高騰しており、退去コストの負担感から移転や増床に踏み切れないという声も増えています。池袋のように築古ビルと新築ビルが混在するエリアでは、退去時の原状回復費用と、移転先での初期費用(保証金・内装費など)をあわせて事前に見積もっておくことが重要です。
- 退去予定ビルの原状回復範囲を早めに確認する
- セットアップオフィスや居抜きオフィスも選択肢に含める
- 複数ビルの初期費用を比較したうえで予算配分を決める
新宿・渋谷エリアと比較した池袋移転のメリット
新宿・渋谷は賃料水準が高く、希望エリアでの物件確保自体が難しい状況が続いています。これに対して池袋は、同じ副都心でありながら賃料が比較的抑えられており、埼玉・神奈川方面からの通勤利便性にも優れる立地です。加えて、周辺に立教大学や日本大学芸術学部などの教育機関が多く、若年層の採用を強化したい企業にとっても人材確保の面でメリットがあります。
再開発によって今後ブランド力・オフィス品質の向上が見込まれる分、早期に移転することで賃料上昇前のメリットを享受しやすい点も、池袋を移転先として検討する意義といえるでしょう。
なお、池袋を含む豊島区の賃貸オフィスの最新の募集状況は、豊島区の賃貸オフィス一覧からまとめてご確認いただけます。
まとめ:池袋の再開発を踏まえたオフィス移転戦略
池袋では西口の超高層複合開発から東口・南池袋の文化拠点形成まで、性格の異なる再開発が同時進行しています。IT tower TOKYOのようにすでに入居可能な新築ビルもあれば、2030年代にかけて完成する大型プロジェクトもあり、竣工時期の違いを踏まえた移転計画が欠かせません。新宿・渋谷に比べて賃料水準が抑えられている今のうちに、自社に合ったタイミングとビルを見極めることが、池袋への移転を成功させる鍵となります。
池袋の再開発に関するよくある質問(FAQ)
池袋の再開発やオフィス移転に関して、企業の総務・経営企画担当者様からよくいただくご質問をまとめました。
Q1. 池袋の再開発で完成するビルは、いつからオフィス入居が可能ですか?
プロジェクトによって入居開始時期は大きく異なります。最も早く入居できる大型ビルとしては「IT tower TOKYO」が2025年12月に竣工、2026年3月に開業しています。一方で、東池袋一丁目地区は2028年7月下旬完了予定、南池袋二丁目28番街区地区は2031年度末頃の竣工予定となっています。また、西口地区の大規模再開発は2030年度の着工、2043年度の全体竣工を目指す長期的な計画です。自社の移転時期のターゲットに合わせて検討対象となるビルを選ぶ必要があります。
Q2. 再開発が進むことで、池袋のオフィス賃料は上がりますか?
はい、中長期的には緩やかな上昇傾向が続くと見込まれます。IT tower TOKYOをはじめとするグレードAビルの供給により、エリア全体の賃料相場が引き上げられているためです。ただし、現時点では新宿や渋谷などの他副都心と比較すると割安感が残っています。賃料が本格的に上昇しきる前のタイミングで内定・契約を進めることが、コストを抑えた移転のポイントとなります。
Q3. 池袋駅西口と東口・南池袋エリアでは、再開発の性格にどんな違いがありますか?
西口エリアは「超高層複合オフィスと広域ターミナル機能の強化」が中心であり、IT tower TOKYOや西口地区再開発(A〜C街区)など大規模なビジネス拠点の形成が進んでいます。一方、東口・南池袋エリアは「国際アート・カルチャー都市」の構想のもと、イベントホールや広場空間、文化施設などを備えた複合開発が特徴です。企業のブランディングや求める働く環境に応じて、適したエリアを選択できます。
Q4. 新築ビルへの移転交渉を有利に進めるには、どのタイミングが狙い目ですか?
新築ビルの場合、竣工直前~竣工直後のテナント募集初期段階が狙い目です。ビルオーナー側が早期満室を目指すタイミングであるため、フリーレント(一定期間の賃料無料)の期間延長や諸条件の調整など、柔軟な交渉に応じてもらいやすい傾向があります。稼働率が上がると強気の条件に移行するため、募集開始初期の情報収集が鍵を握ります。
Q5. 新宿や渋谷ではなく、池袋にオフィス移転する主なメリットは何ですか?
最大のメリットは「コストパフォーマンスの高さ」と「圧倒的な通勤アクセスの良さ」です。同じ副都心でありながら新宿・渋谷より賃料水準が抑えられているため、同等予算でワンランク上のオフィスを選びやすくなります。また、埼玉・千葉・神奈川方面や都内各所を結ぶ8路線が乗り入れており、従業員の通勤利便性が高い点や、周辺に大学が多いことから若手人材の採用面で有利に働く点も大きなメリットです。
※1 各事業のスケジュールは、事業者・豊島区・東京都の公表資料に基づく2026年9月時点の情報です。市街地再開発事業は都市計画手続きや工事の進捗により、着工・竣工時期が変更となる場合があります。
※2 区域面積約6.1ha・延床面積約582,700㎡は、池袋駅西口地区(約4.5ha)と池袋駅直上西地区(約1.6ha)を合わせた「池袋駅西口地区再開発計画」全体の数値です。東京都の都市計画資料では、西口地区の施設建築物3棟合計の延べ面積は約494,900㎡とされています。
※3 三鬼商事「オフィスマーケットデータ(東京ビジネス地区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)」2026年7月時点。平均賃料は前年同月比11.38%上昇、平均空室率は前月比0.04ポイント低下。
※4 2026年4月1日時点で東京オフィスチェックに掲載中の46,989件の物件から該当エリアの物件賃料をもとに算出(かつ1985年以降に竣工のビルのみ)
※5 JR東日本「各駅の乗車人員」に基づく順位。全乗り入れ路線の合算値では集計方法により順位が変動する場合があります。
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