個室ブースのオフィス導入完全ガイド|WEB会議ブースの選び方・価格帯・注意点【2026年版】
リモートワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークが定着し、オフィス内でのWEB会議や集中作業のための個室空間の需要が急速に高まっています。オープンオフィスでは周囲の雑音でWEB会議の音声が聞き取りにくい、会話内容が周囲に漏れてしまうといった問題が顕在化し、個室ブースの導入を検討する企業が増えています。
「オフィスに個室ブースを置きたいが種類が多くて選べない」「WEB会議ブースの防音性能や価格帯がわからない」「消防法や換気の規制が気になる」——こうした課題を抱える総務・施設担当者や経営者に向けて、本記事ではオフィス向け個室ブース・WEB会議ブースの種類・メリット・選び方・価格帯・導入時の注意点を体系的に解説します。
✔ この記事でわかること
- オフィスの個室ブース・WEB会議ブースが注目される背景と市場動向
- 個室ブース導入で得られる5つのメリット
- 完全個室型・半個室型・デスク一体型の特徴と選び方
- 価格帯別(10万円台〜50万円以上)のブース比較
- 消防法・換気・設置スペースなど導入時に見落としがちな注意点
オフィスの個室ブース・WEB会議ブースとは?注目される背景

オフィスの個室ブースとは、オフィス内に設置できる1人用〜少人数用の小型個室空間のことです。WEB会議ブースや集中ブース、テレワークブースとも呼ばれ、防音性能を備えたものから簡易的なパーテーションで囲んだ半個室タイプまで、さまざまな種類があります。
ハイブリッドワークの定着とWEB会議の増加
コロナ禍以降、多くの企業がリモートワークを導入し、現在はオフィス出社とリモートワークを併用するハイブリッドワークが主流になりつつあります。それに伴い、オフィスにいるメンバーが自席や会議室からWEB会議に参加する機会が大幅に増えました。しかし、従来の会議室は複数人用に設計されており、1対1のWEB会議のために毎回会議室を確保するのは非効率です。この課題を解決するのが、1人用のWEB会議ブースです。
オープンオフィスの「音」問題
フリーアドレスやオープンレイアウトを採用するオフィスが増える一方で、周囲の会話や電話の音が集中力を妨げるという声も多く聞かれます。防音性能を備えた個室ブースは、WEB会議だけでなく、企画書作成やプログラミングなど深い集中を必要とする作業にも最適な環境を提供します。オフィスのレイアウトを大きく変更することなく「静かな空間」を追加できる点が、個室ブースが注目される大きな理由です。
セキュリティ・プライバシー意識の高まり
人事評価や契約交渉、顧客との機密性の高い打ち合わせをオープンスペースで行うことはセキュリティ上のリスクがあります。個室ブースを導入することで、情報漏洩リスクを低減しながら、会議室の予約が取れないときでも機密性の高い会話を安全に行える環境を確保できます。
個室ブース導入の5つのメリット

オフィスに個室ブースを導入することで得られる具体的なメリットを5つに整理します。
1. WEB会議の品質が向上する
防音性能を持つWEB会議ブースを利用すれば、周囲の雑音をカットし、自分の声もクリアに相手へ届けることができます。オープンオフィスでありがちな「聞こえにくい」「背景音がうるさい」といったストレスがなくなり、会議の生産性が向上します。取引先やクライアントとの商談でもプロフェッショナルな印象を与えられます。
2. 従業員の集中力と生産性が上がる
集中ブースとして活用すれば、デスクワーク中の割り込みや周囲の会話による集中力の低下を防げます。深い思考を必要とする企画業務やプログラミング、分析作業などの生産性が向上し、結果的にオフィス全体のパフォーマンスアップにつながります。
3. 会議室不足を解消できる
多くのオフィスで慢性的な課題となっている会議室不足。1人用の個室ブースを複数台設置することで、1対1のWEB会議や短時間の電話対応を個室ブースに分散でき、会議室の予約競争を緩和できます。会議室は複数人の対面会議に、個室ブースは1人用のWEB会議や集中作業にと、用途に応じた使い分けが可能になります。
4. オフィスレイアウトの自由度が高い
個室ブースの多くは工事不要で設置できるため、オフィスのレイアウト変更や増員に合わせて柔軟に配置を変えられます。賃貸オフィスの場合、建築工事を伴わないブースであれば原状回復の対象外となるケースが多く、退去時のコストを気にせず導入できる点もメリットです。
5. 従業員満足度とオフィスの魅力が向上する
「集中したいときに使える個室がある」「WEB会議を周囲に気兼ねなくできる」という環境は、従業員満足度の向上につながります。快適なオフィス環境は採用活動においてもアピールポイントになり、オフィスの魅力を高める設備投資として位置づけることができます。
タイプ別の特徴と選び方(完全個室型・半個室型・デスク一体型)

個室ブースは大きく3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴・メリット・デメリットを理解したうえで、自社のオフィス環境や利用目的に合ったタイプを選びましょう。
完全個室型(フルクローズドブース)
四方の壁と天井・ドアで完全に密閉されたタイプです。防音性能が最も高く、WEB会議の音声品質を最重視する場合や、機密性の高い打ち合わせに使用する場合に最適です。換気ファンや照明、電源コンセント、USBポートが標準装備されている製品が多く、長時間の利用にも対応できます。
一方で、本体サイズが大きく重量もあるため設置スペースの確保が必要です。価格帯も高めで、1人用でも50万円〜100万円以上が目安となります。また、消防法上の扱い(後述)にも注意が必要です。
| 防音性能 | 高い(-25dB〜-35dB程度が目安) |
| 向いている用途 | WEB会議、電話対応、機密打ち合わせ、集中作業 |
| 設置条件 | 約1畳分のスペース、床荷重の確認推奨、電源確保 |
半個室型(セミクローズドブース)
天井が開放されていたり、壁が腰高までだったりする半個室タイプです。完全個室型に比べて軽量・コンパクトで、設置や移動が容易な点がメリットです。価格帯も10万円〜30万円台と比較的手頃で、複数台を設置しやすいのが特徴です。
ただし、防音性能は完全個室型に劣るため、周囲の騒音レベルが高いオフィスや機密性の高い用途には不向きです。短時間の電話対応や、ちょっとした集中作業に使う「集中ブース」としての活用に適しています。消防法上の制約も少なく、導入のハードルが低い点も魅力です。
| 防音性能 | 中程度(-10dB〜-20dB程度が目安) |
| 向いている用途 | 短時間の電話・WEB会議、集中作業、休憩 |
| 設置条件 | 半畳〜1畳程度、特別な工事は不要なケースが多い |
デスク一体型(パーソナルブース)
デスクとパーテーションが一体になったタイプで、集中ブースとして利用されることが多いタイプです。フリーアドレスオフィスに設置すれば「集中したいときに使える個人席」として機能し、従来のデスクの延長として自然にオフィスに溶け込みます。
価格帯は5万円〜15万円程度と最も安く、防音性能は限定的ですが、視覚的な遮蔽効果で集中力を高められます。WEB会議にはヘッドセットとの併用が前提となります。
| 防音性能 | 低い(視覚的な遮蔽が中心) |
| 向いている用途 | 集中作業、簡易的な電話対応(ヘッドセット併用) |
| 設置条件 | 既存デスクスペースに設置可能、工事不要 |
タイプ別比較表
| 比較項目 | 完全個室型 | 半個室型 | デスク一体型 |
|---|---|---|---|
| 防音性能 | ◎ 高い | ○ 中程度 | △ 低い |
| 価格帯(1人用) | 50万〜100万円以上 | 10万〜30万円台 | 5万〜15万円 |
| 設置スペース | 約1畳 | 半畳〜1畳 | 既存デスクに設置可 |
| WEB会議の適性 | ◎ 最適 | ○ 短時間向き | △ ヘッドセット必須 |
| 移設の容易さ | △ 重量あり | ○ 比較的容易 | ◎ 容易 |
| 消防法の注意 | 要確認 | 少ない | ほぼ不要 |
価格帯別おすすめブースの比較

個室ブースの価格は防音性能・素材・サイズ・付属設備によって大きく異なります。ここでは3つの価格帯に分けて、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。
10万円台:手軽に導入できるエントリーモデル
10万円台の個室ブースは、半個室型やデスク一体型が中心です。初めて個室ブースを導入する企業や、まずは試験的に1〜2台設置したいという場合に最適な価格帯です。吸音パネルで囲まれたセミクローズドタイプが多く、完全な防音は期待できませんが、周囲の視線を遮り集中しやすい環境を手軽に作れます。
この価格帯では電源コンセントやUSBポートが付属しない製品もあるため、購入前に付属設備を確認しましょう。WEB会議で使用する場合はヘッドセットとの併用が前提です。安価なWEB会議ブースは防音性能が不十分なことがあるため、利用目的を明確にしたうえで選定することが重要です。
30万円台:防音性能と価格のバランスが良い中価格帯
30万円台になると、天井まで壁で囲われた完全個室型の製品も選択肢に入ってきます。-20dB〜-25dB程度の防音性能を持ち、換気ファン・LED照明・電源コンセントが標準装備されている製品が多いのがこの価格帯の特徴です。日常的にWEB会議で使用するのに十分な性能を備えています。
導入台数が多い場合はリースやレンタルに対応しているメーカーもあり、月額費用で導入できるケースもあります。予算に合わせて購入とリースを比較検討しましょう。
50万円以上:高い防音性能とプレミアムな機能性
50万円以上の価格帯では、-30dB以上の高い防音性能を備えたプレミアムモデルが中心です。人感センサー付き換気システム、モニターアーム、調光機能付きLED照明、キャスター付きで移設可能など、高機能な装備を持つ製品が揃います。長時間の利用でも快適な空調環境を維持できるよう設計されています。
2人用や4人用の大型ブースもこの価格帯からラインナップされており、少人数ミーティングルームとしての活用も可能です。ただし、重量が200kgを超える製品もあるため、設置フロアの床荷重を事前に確認する必要があります。
価格帯別比較表
| 比較項目 | 10万円台 | 30万円台 | 50万円以上 |
|---|---|---|---|
| 主なタイプ | 半個室型・デスク一体型 | 完全個室型・高性能半個室型 | 高性能完全個室型・複数人用 |
| 防音性能 | -10dB〜-15dB | -20dB〜-25dB | -30dB以上 |
| 標準装備 | 吸音パネル程度 | 換気・照明・電源 | 換気・照明・電源・センサー等 |
| おすすめの用途 | 集中作業・短時間通話 | 日常的なWEB会議 | 長時間会議・機密打ち合わせ |
| 導入のしやすさ | ◎ 非常に容易 | ○ 比較的容易 | △ スペース・荷重確認必要 |
導入時の注意点(消防法・換気・設置スペース)

個室ブースの導入にあたっては、製品選びだけでなく設置環境に関する法規制や物理的な条件もしっかり確認する必要があります。見落としがちなポイントを整理します。
消防法への適合確認
完全個室型の個室ブースは、設置の仕方によっては消防法上「間仕切り」や「居室」として扱われる場合があります。天井に達する壁で完全に囲われたブースは、消防署から火災報知器やスプリンクラーの設置を求められるケースがあるため、事前にビルの管理会社や所轄消防署へ確認することが重要です。
近年のブース製品には、消防法対応を考慮して天井部分に隙間を設けた設計や、内部にスプリンクラー・煙感知器を組み込んだモデルもあります。製品選定時に消防法対応の有無をメーカーに確認しておくと、導入がスムーズに進みます。
換気・空調の確保
密閉型のブースでは、内部の換気が不十分だとCO2濃度が上昇し、眠気や集中力低下の原因になります。建築物衛生法(ビル管理法)ではCO2濃度を1,000ppm以下に保つことが求められており、完全個室型ブースには換気ファンの装備が必須です。
換気ファンの静音性にも注目しましょう。ファンの駆動音が大きいとWEB会議時に雑音として拾われてしまいます。製品スペックで「換気量(m³/h)」と「ファン騒音レベル(dB)」を確認し、十分な換気量を確保しつつ静音性の高い製品を選ぶのがポイントです。
設置スペースと床荷重の確認
個室ブースを設置する際は、ブース本体のサイズに加えて、ドアの開閉スペースや周囲の通路幅も考慮する必要があります。一般的に、ブース周囲に最低60cm以上の通路スペースを確保することが推奨されます。
また、完全個室型のブースは重量が100kg〜300kg以上になるものもあるため、設置フロアの床荷重(積載荷重)を確認しましょう。一般的なオフィスビルの積載荷重は300kg/m²程度ですが、ブースの設置面積が小さいと1m²あたりの荷重が大きくなるため、ビル管理会社への事前確認が必要です。
電源の確保とケーブルの取り回し
個室ブースの内部ではPC・モニター・照明・換気ファンなどの電源が必要です。設置場所の近くにコンセントがあるか、延長ケーブルの使用が必要かを事前に確認しましょう。ケーブルが通路をまたぐ場合はケーブルカバーを使用し、つまずきによる事故を防止することも大切です。
利用ルールの策定
個室ブースを導入しても、利用ルールが不明確だと一部の従業員が長時間占有したり、利用目的から外れた使われ方をしたりするケースがあります。1回あたりの利用時間の目安(30分〜1時間など)、予約制か空いていれば自由に使えるか、飲食の可否などのルールを事前に策定し、社内に周知しましょう。
まとめ

オフィスの個室ブース・WEB会議ブースは、ハイブリッドワーク時代に欠かせない設備になりつつあります。本記事のポイントを振り返ります。
- WEB会議の増加やオープンオフィスの音問題を背景に、個室ブースの需要はオフィスの規模を問わず高まっている
- 個室ブースの導入により、WEB会議品質の向上・集中力アップ・会議室不足の解消・レイアウトの柔軟性・従業員満足度の向上が期待できる
- ブースのタイプは「完全個室型」「半個室型」「デスク一体型」の3種類があり、防音性能・価格・設置スペースのバランスで自社に最適なタイプを選ぶことが重要
- 価格帯は10万円台のエントリーモデルから50万円以上のプレミアムモデルまで幅広く、利用目的に応じた選定が必要
- 消防法への適合確認・換気の確保・床荷重の確認など、導入前のチェック項目を漏れなく確認する
個室ブースの導入はオフィス環境を大きく改善する施策ですが、オフィスのレイアウトや面積によっては設置が難しい場合もあります。オフィスの移転やレイアウト変更を含めたオフィス環境の最適化をお考えの方は、東京オフィスチェックまでお気軽にご相談ください。仲介手数料無料でオフィス探しをサポートいたします。
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よくある質問(FAQ)
Q. オフィスに個室ブースを設置するのに工事は必要ですか?
多くの個室ブースは組み立て式で、大がかりな工事なしで設置できます。半個室型やデスク一体型は特に設置が簡単です。完全個室型は電源の引き込みやスプリンクラーの設置が必要になるケースがあるため、事前にビル管理会社へ確認することをおすすめします。
Q. WEB会議ブースに必要な防音性能の目安はどのくらいですか?
WEB会議で快適に使用するには-20dB以上の遮音性能が目安です。一般的なオフィスの騒音レベルは50〜60dB程度のため、-20dB以上の遮音性能があればブース内部を40dB以下(図書館程度の静けさ)に保てます。機密性の高い会議には-30dB以上のモデルを推奨します。
Q. 個室ブースの設置に消防署への届け出は必要ですか?
天井に達する完全密閉型のブースは消防法上「間仕切り」として扱われ、火災報知器やスプリンクラーの追加設置が必要になる場合があります。天井部分に隙間があるタイプや半個室型であれば消防法上の届け出が不要なケースが多いですが、設置前にビル管理会社・所轄消防署に確認することが重要です。
Q. 安いWEB会議ブースでも十分に使えますか?
10万円台の半個室型やデスク一体型でも、ノイズキャンセリング機能付きヘッドセットと併用すれば、短時間のWEB会議には十分対応できます。ただし、長時間の会議や機密性の高い打ち合わせには防音性能が不足する場合があるため、利用頻度と用途に応じて選定しましょう。
Q. 個室ブースは賃貸オフィスでも導入できますか?
導入できます。建築工事を伴わない自立式のブースであれば、原状回復の対象外となるケースがほとんどです。ただし、床荷重や電気容量の確認、消防設備に関する協議が必要になる場合があるため、導入前にビルのオーナーや管理会社に相談することをおすすめします。






