オフィス移転担当者必見|築古ビルを最新ワークスペースにする改修アイデアまとめ

オフィスの価値が「働く場所」から「企業ブランドを体現する場」へと変化する中、既存ビルをいかに再生し価値を高めるかは、バックオフィス担当者にとって大きな検討テーマとなっています。今回ご紹介する三井物産都市開発の西新橋オフィスは、築40年以上のビルを現代の働き方に合わせてアップデートした好例です。設計を手掛けたのは、建物の魅力を最大化する空間づくりに定評のある設計事務所・フロート。同社が目指したのは、ビル全体の価値を高めながら、社員が自然と足を運びたくなる「心地よく働ける場所」の実現でした。
築40年超のビルを魅力的なオフィスへ再生
改修対象となったビルは築42年。特徴は、当時のオフィスビルによく見られた「整然と連続する窓」です。フロートはこの建物の弱みではなく個性に着目し、窓と窓の間にある柱・壁の厚みをあえて強調。外光の取り込み方を工夫しながら、リズミカルに並ぶ窓をこのビルならではの魅力として引き立てました。
設計者の吉田裕美佳氏は「連続する窓が安心感を生み、落ち着きのあるオフィスになる」と語ります。柱を基準としたモジュール設計により、空間全体のレイアウトにも統一感を持たせ、視覚的にも働きやすい環境を構築しています。
カフェとオフィスの中間という新しい居場所
エントランスには社外の人も利用できるカフェスペースを設置し、ビル全体の価値向上にも貢献しています。ラウンジ・カフェ利用が一般化する中、ただおしゃれなだけのカフェでは集中しづらく、椅子の座り心地が悪いなど課題も多いものです。
そこでフロートが提案したのは「カフェとオフィスの中間の空間」。
人との距離を程よく保ち、一定の集中環境を確保するため、一人当たりのスペースを通常より広めに確保。これにより、ほどよい緊張感と居心地のよさが両立されたワークスペースが完成しました。
フロア中央には大きな通りのような動線を作り、その両側に会議室や執務エリアを配置することで、視認性と回遊性を高めています。オフィス内の歩行動線を整えることで、自然なコミュニケーションが生まれる点も特長です。
家具・素材選びで「20年後も古びない」価値を創造
家具は北欧の名作家具を中心に選定。デザイン性が高いだけでなく、長く使える耐久性も備え、築古ビルの再生において「価値を長期的に保てる空間づくり」に貢献しています。
また、床や壁には温かみあるチーク材を使用し、居心地のよい落ち着いた空気感を演出。既存の照明や空調は天井のスリット内に隠し、視覚的ノイズを徹底的に排除することで、集中しやすい環境を実現しています。
吉田氏は「今後のオフィスはサステナブルの観点から、建物を長く使う方向に移行していく」と語ります。今回の改修は、まさにその価値観を体現した事例と言えるでしょう。
担当マーケターの視点
今回の三井物産都市開発のオフィス改修は、単なるリニューアルではなく「企業価値の再構築」として非常に秀逸なプロジェクトだと感じました。マーケティング視点で見ると、特に優れているのは ビルの弱みを強みに変えた点 です。築古ビルというとネガティブな印象が強いですが、連続窓や構造体をデザイン資源と捉え、新築にはない個性として活かしました。これはブランディング戦略として非常に理にかなっています。
また、オフィスを「働く場」だけでなく「選ばれる場」として捉え、カフェとオフィスの中間の心地よい空間を設計した点も時代性と合致しています。オフィス移転を検討する企業は、コストや立地だけではなく、自社でしか体験できない価値をどう空間に落とし込むかが競争力につながります。三井物産都市開発の事例は、バックオフィス担当者にとって築古でも魅力的なオフィスはつくれると示す非常に参考になるケースだと感じました。
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