成功する居抜きオフィス移転|失敗しないためのポイントと事例を徹底解説

成功する居抜きオフィス移転|失敗しないためのポイントと事例を徹底解説

コストもスピードも妥協しない。「居抜き移転」が選ばれる理由とは?


オフィスの移転を検討している企業の皆様、特にスタートアップや中小企業の経営者にとって、「なるべく早く・なるべく安く」というのは切実なテーマです。事業拡大や働き方の変化に合わせてオフィスを変えたい。でも、内装工事や家具の手配に数百万円かける余裕はない—。そんな企業が今、注目しているのが「居抜き移転」です。
この記事では、居抜き移転の基本的な仕組みから、具体的なメリット、成功のためのチェックポイントまでを丁寧に解説します。「移転コストが気になる」「社員の働きやすさも妥協したくない」そんな悩みを抱える方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。

居抜き移転とは?

そもそも「居抜き」とは何か?

居抜き移転とは、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継ぎ、新たに入居するオフィス移転の方法です。デスクや椅子、会議室のパーティション、照明、エアコン、時にはネットワーク設備まで完備されていることもあります。
たとえるなら、内装が完成したモデルルームにそのまま引っ越すようなイメージです。ゼロからの内装工事が不要な分、初期費用と移転期間を大幅に圧縮できるのが最大の特徴です。

なぜ今、居抜き移転が選ばれているのか

近年、居抜き物件への移転は明らかに増加傾向にあります。その背景には以下のような要因があります。

  • 経済情勢の変化:金利上昇や物価高で、企業は「必要最小限のコストで最大の効果」を追求するように。
  • 働き方の多様化:リモートワークやハイブリッド勤務により、柔軟なレイアウト変更や即時移転のニーズが増加。
  • 環境意識の高まり:設備や什器の再利用は、資源の節約・CO₂削減にもつながる。

こうした時代背景が、居抜き移転を「安かろう・古かろう」ではなく、合理的で賢い選択肢として再評価させているのです。

居抜き移転の3大メリット

1. コストを大幅に削減できる

通常のオフィス移転では、入居先の内装工事、オフィス家具の購入、インターネットや配線設備の工事などに数百万円〜数千万円規模の費用がかかることも珍しくありません。しかし居抜き移転では、それらの多くがすでに揃っている状態です。たとえば、以下のようなものを引き継げるケースがあります。

  • ミーティングルームの間仕切り
  • 照明・空調設備
  • ネットワーク配線・サーバーラック
  • デスクやチェア、収納棚

これにより、初期費用を約50〜80%抑えられたという事例もあります。浮いた予算を人材採用やマーケティング、社員の福利厚生など、他の戦略投資に振り向けることができます。

2. すぐに業務を開始できる

内装工事に数ヶ月、新しい什器の納品に数週間——。通常の移転には、どうしても「時間のロス」が発生します。しかし、居抜き移転ではその多くが不要です。
例えば、内見後に即契約し、鍵を受け取ったら翌週から業務スタートといったケースも可能です。リモートワークで柔軟な対応が可能な企業であれば、移転期間中も業務にほとんど支障が出ないという点も魅力です。
スピード=競争力が求められる今の時代、時間的メリットは非常に大きいと言えるでしょう。

3. 環境にも優しい選択

居抜き移転は、地球環境に優しいという側面も見逃せません。新たな内装や家具を製造する場合、木材や金属、化学素材が必要であり、それに伴うCO₂排出や産業廃棄物の発生も避けられません。
一方、既存の設備や什器を再利用する居抜き移転は、これらの環境負荷を軽減します。これはSDGsの「12.つくる責任 つかう責任」や「13.気候変動に具体的な対策を」といった目標にも貢献する行動です。企業としての環境配慮が問われる時代において、居抜き移転を選ぶことはサステナブルな経営判断としてもプラスに働くでしょう。

居抜き移転を成功に導く5つのステップ


居抜き移転には大きなメリットがある一方で、計画性のない進め方では思わぬトラブルにつながることもあります。ここでは、失敗しないための5つのステップを具体的にご紹介します。

1. 物件選定:理想のオフィスを見つける準備段階

居抜き移転の成否を左右するのが「どんな物件を選ぶか」です。賃料や広さだけで判断するのではなく、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 立地:通勤アクセス、駅距離、取引先との距離
  • 周辺環境:飲食店、コンビニ、郵便局など生活利便性
  • 設備の状態:引き継ぐ設備や什器が使用可能かどうか
  • 将来性:数年後の増員・拡張にも対応できるか

写真や3Dツアーで確認できる物件も増えていますが、最終的には必ず現地を訪問しましょう。空間の広がり方や日当たり、共用部の雰囲気などは、現地でしかわからない要素です。

2. 内見と現地確認:実用性と使い勝手を見極める

次のステップは、実際にオフィスを訪れての内見です。以下の観点で、「本当にこの物件が自社にフィットするか」を確認しましょう。

  • 既存什器・設備の使用可否(OAフロア、照明、空調など)
  • 現在のレイアウトが業務にマッチしているか
  • セキュリティ、ネットワーク環境の整備状況
  • 共用部(トイレ、給湯室、エントランス)の状態

特に「この会議室は何名用か?」「空調の効き具合は?」など、現場でしか確認できない情報を見落とさないようにしましょう。担当者とのやりとりをスムーズにするため、チェックリストを用意して臨むのがおすすめです。

3. 契約手続き:トラブルを未然に防ぐ確認ポイント

物件が決まったら、いよいよ契約です。法人契約のオフィスでは、個人向けと異なる確認項目や書類手続きが発生します。

特に確認しておきたいポイント:

  • 契約期間と解約時のペナルティ条件
  • 原状回復義務の内容(前テナントの責任範囲も含む)
  • 保証金・敷金の金額と返金条件
  • 修繕義務や設備不具合発生時の対応窓口

また、前テナントとの取り決め(什器の引き継ぎ条件など)が曖昧だと、後にトラブルの火種になることも。可能であれば契約書のドラフト段階で、専門家(不動産コンサルタントや弁護士)に目を通してもらいましょう。

4. 什器リストの確認:使える資産と不要な物を見極める

契約締結後は、具体的な什器や設備の「現物確認」を行います。書面だけで安心せず、その場で状態をチェックすることが重要です。

確認ポイント:

  • 使用可能な家具の種類(デスク、チェア、キャビネットなど)
  • 状態(破損やガタつきの有無、衛生面)
  • 業務フローに合った配置が可能かどうか
  • メンテナンス履歴、今後の保守対応方法

例えば、パソコン用チェアが20脚残されていても、実際に座ってみると経年劣化していたというケースもあります。追加購入が必要になりそうな什器は、予備費として別途予算計上しておくのが賢明です。

5. 原状回復・レイアウト計画:居抜きならではの注意点

原状回復の引き継ぎ

入居後のトラブルで多いのが、「原状回復」に関する誤解です。前テナントが残した設備の修繕責任が誰にあるのか、必ず契約段階で明確にしておきましょう。
可能であれば、現状を写真付きで記録した「現況確認書」を交わすことをおすすめします。また、設備の老朽化が進んでいる場合は、専門業者による点検や引き渡し前の修理を条件に交渉することも可能です。

レイアウト変更の難しさ

居抜き物件の中には、間仕切りや配線の都合上、自由なレイアウト変更が難しいケースもあります。以下の点を確認しましょう。

  • 壁や柱の位置が業務効率に影響しないか
  • 共有スペース(会議室・受付など)の導線はスムーズか
  • 消防法・建築基準法上の制限があるか

どうしても使い勝手に制限が出る場合は、オフィス家具のレイアウトで柔軟に補う工夫が求められます。内装のプロやデザイナーと連携して、「そのまま使う」ではなく「上手に使いこなす」視点でレイアウト計画を進めましょう。

実際どうなの?居抜き移転の成功・失敗事例から学ぶ

成功事例:ITスタートアップが移転コスト70%削減に成功

東京都内で急成長を遂げていたあるIT系スタートアップ会社は、社員数の増加に伴い、手狭になったオフィスからの移転を決断しました。スピード感が求められる成長フェーズにあったため、「初期費用を抑えて、できるだけ早く業務を再開したい」というのが絶対条件でした。
そこで選択したのが、港区のとある居抜きオフィス物件。もともとクリエイティブ系企業が使用していたスペースで、洗練されたレイアウトと家具がそのまま残されていました。会議室や休憩スペースの導線も良く、ほとんど手を加えずに業務がスタートできる状態でした。
結果として、内装・家具・IT設備にかかる費用を70%以上カット。移転までの準備期間はわずか3週間で済みました。社員の間でも「前より快適」「打ち合わせがしやすくなった」と好評で、業務の中断も最小限に抑えられました。
さらに、設備をそのまま活用するという点で、SDGsの観点からも社外評価を獲得。メディア掲載の機会も増え、思わぬブランディング効果にもつながりました。

失敗事例:修繕費で想定外の出費に

一方、失敗事例も存在します。都内のある中小商社は、「とにかくコストを抑えたい」という思いから、築年数の古い居抜き物件を選びました。しかし、時間を惜しんで内見を簡略化したことが仇となります。
いざ入居してみると、空調が不調で修理が必要だったほか、照明の配線トラブル、フロアのガタつきなど、目に見えない修繕箇所が続出。結果として、当初想定していた予算を大幅にオーバーしてしまいました。さらに、既存のレイアウトが自社業務に合わず、デスクの再配置や間仕切り変更も発生。結果として社員の動線が悪くなり、生産性もダウンする結果となりました。
このケースからわかるのは、「安さ」だけで物件を選ばないことの重要性。特に古い物件では、内見・点検・契約条件の確認が欠かせません。数十万円単位の追加費用が発生する前に、専門家のチェックを受けるべきでした。

まとめ:居抜き移転で失敗しないためのチェックポイント

居抜き移転を成功させるためには、戦略的な視点と現場レベルの確認の両方が必要です。以下のポイントを押さえることで、失敗リスクを最小限に抑えることができます。

  • 物件選定:自社の業務スタイルにマッチした立地・広さ・設備か
  • 内見・現地確認:什器の状態、配線、インフラ、周辺環境までチェック
  • 契約手続き:原状回復、保証金、設備引継ぎの範囲を明確に
  • レイアウト検討:使いにくい部分は変更可能か。法的制限も確認
  • 什器・設備の現状把握:メンテナンス履歴や状態確認を忘れずに

そして何より、成功・失敗事例の両方を参考にすることが、自社に最適な判断を導きます。表面的なメリットだけで判断せず、「このオフィスで数年間、社員が気持ちよく働けるか?」という視点で考えることが、居抜き移転を成功に導く鍵です。

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