芝浦エリアが“次のオフィス移転先”として注目される理由とは
再開発・コスト・アクセス性から見る湾岸エリアの可能性

東京都港区の湾岸エリアとして知られる芝浦が、近年オフィス移転先として注目を集めています。背景にあるのは、大規模再開発による街の進化と、都心主要エリアに比べたコストバランスの良さです。特に、2025年に一部竣工した「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」を中心に、浜松町・竹芝・汐留までを含めた大規模都市開発が進行しており、2030年に向けてエリア価値が大きく変化すると見られています。
一方で、芝浦は従来から製造業・IT企業・物流関連企業などのバックオフィス拠点として人気を持つエリアでもあります。東京駅や品川駅へのアクセスに優れながら、港区内では比較的賃料を抑えやすい点が、多くの企業から評価されています。本記事では、芝浦エリアのオフィス市場の特徴や代表的なビル、賃料相場、そしてバックオフィス担当者が押さえるべきポイントを解説します。

芝浦エリアとは?
田町・浜松町に隣接する“湾岸ビジネスゾーン”
芝浦は港区東部に位置し、JR田町駅芝浦口(東口)から海側に広がるエリアです。浜松町駅や品川駅とも近接しており、羽田空港へのアクセスに優れている点が大きな特徴です。特に物流・メーカー・ITインフラ関連企業からの人気が高く、本社機能だけでなくバックオフィスやサテライト拠点としても利用されてきました。また、近年は単なる“湾岸オフィス街”から、“職住近接型の複合都市”へと変化しています。タワーマンションや商業施設の開発も進み、従業員満足度の観点からも注目されるエリアになりつつあります。
最大の注目は「BLUE FRONT SHIBAURA」
芝浦エリア最大の話題は、野村不動産とJR東日本が共同開発する「BLUE FRONT SHIBAURA」です。高さ約230mのツインタワー構想で、2025年2月には南棟「TOWER S」が竣工しました。1フロア約1,500坪という大型プレートを備え、港区内でもトップクラスの大規模オフィスとなっています。コンセプトは「TOKYO WORKation」。自然と都市機能を融合させた共用空間やスカイラウンジなど、従来型オフィスとは異なる“滞在価値”を重視した設計が特徴です。さらに高層部には、ラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が日本初進出。オフィス・ホテル・商業施設を融合した新たなランドマークとして期待されています。2030年には北棟「TOWER N」の完成も予定されており、芝浦エリア全体のブランド価値向上につながる可能性があります。
芝浦を代表する既存大型ビル
シーバンスS館・N館
芝浦エリアのランドマークとして長年知られているのが「シーバンスS館・N館」です。大規模フロアを確保しやすく、バックオフィス集約や複数部門の統合移転にも対応しやすい点が特徴です。共用施設も充実しており、大企業を中心に安定した人気があります。湾岸エリア特有の開放感がありながら、都心アクセスも良好なため、“落ち着いた大規模オフィス環境”を求める企業に向いています。
芝浦スクエア
比較的コストを抑えながらハイグレード環境を確保したい場合に注目されているのが「芝浦スクエア」です。全面ガラス張りのデザイン性に加え、24時間利用可能、機械警備、駐車場完備など、バックオフィス利用にも適した設備を備えています。田町駅からやや距離がある分、港区としては賃料水準が比較的リーズナブルである点も評価されています。
芝浦エリアの賃料相場
2026年時点で、芝浦・芝周辺エリアの賃料相場はおおよそ17,000〜27,000円/坪程度です。丸の内・大手町・渋谷・六本木などの都心一等地と比較すると、同等スペックのビルでもコストを抑えやすい傾向があります。さらに、芝浦には中小規模ビルも多く存在しており、坪単価1万円台の物件も見つかるため、以下のような用途で検討されるケースが増えています。
・バックオフィス部門の分室
・BCP対策用サブ拠点
・サテライトオフィス
・成長企業の本社移転
特に近年は、都心一等地の賃料上昇を背景に、“少し都心からずらしてコスト最適化する”動きが加速しており、芝浦はその代表格になりつつあります。
バックオフィス担当者が注目すべきポイント
① 2030年まで続く再開発メリット
芝浦は単独開発ではなく、浜松町・竹芝・汐留エリア全体の再開発と連動しています。特に世界貿易センタービル建替えや歩行者ネットワーク整備が進むことで、今後さらに回遊性・利便性が高まる見込みです。“今後価値が上がるエリアに先回りして入居する”という視点は、長期契約を行うバックオフィス担当者にとって重要な戦略になります。
② コストとグレードのバランスが良い
港区アドレスを維持しながら、比較的広い面積を確保しやすい点は芝浦の大きな魅力です。特にバックオフィス部門では、「超都心立地よりもコスト効率を重視したい」というニーズが増えています。芝浦はそのバランスを取りやすいエリアと言えるでしょう。
③ 羽田アクセスの優位性
羽田空港アクセスの良さは、出張が多い企業にとって非常に大きなメリットです。特に全国拠点を持つ企業では、東京駅アクセスだけでなく、空港アクセスの重要性が年々高まっています。
まとめ|芝浦は“今後伸びる港区”として注目すべきエリア
芝浦エリアは、従来の「コストを抑えた湾岸オフィス街」から、「国際競争力を持つ次世代ビジネスエリア」へと進化し始めています。BLUE FRONT SHIBAURAを中心とした再開発によって、2030年に向けてエリア価値はさらに高まる可能性があります。一方で、現時点では都心主要エリアより賃料水準を抑えやすく、広い面積も確保しやすいという実務的なメリットも残されています。バックオフィス担当者にとっては、「今後の成長性」と「現実的なコスト」の両方を見極めることが重要です。芝浦は、その両立を狙える数少ないエリアの一つと言えるでしょう。
担当マーケターの視点
マーケティング視点で見ると、芝浦エリアの価値は“未来性”にあります。現在の東京オフィス市場では、渋谷・丸の内・六本木といった既存ブランドエリアの競争が激化し、賃料も高騰しています。その中で芝浦は、「これからブランド化されるエリア」として非常に面白い立ち位置にあります。
特にBLUE FRONT SHIBAURAのような大規模複合開発は、単なるオフィス供給ではなく、“街のイメージ形成”そのものを変えていきます。これは採用ブランディングにも直結します。求職者はオフィス単体ではなく、「どんな街で働くか」を見る時代になっているからです。また、湾岸エリア特有の開放感や水辺環境は、従来の都心オフィスにはない差別化要素になります。今後は「利便性」だけではなく、「働く体験価値」をどう設計するかが企業ブランディングの鍵になると感じます。
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