営業所にカフェ?日本交通の内装戦略から学ぶ“若手が育つオフィス設計”


オフィス内装は、単なる「空間整備」ではなく、組織文化や人材戦略を体現する経営施策です。都内最大手のタクシー会社・日本交通株式会社が、葛西営業所の移転リニューアルに合わせて導入した「新卒社員による自主運営カフェ」は、その象徴的な事例といえます。
タクシー業界の乗務員平均年齢が60.7歳である中、葛西営業所は平均年齢24.6歳。新卒入社の乗務員のみで構成される営業所として2020年に新設されました。新卒採用の拡大に伴い、営業所の増床とともに新たなコミュニケーション施策が求められていました。
(参考:https://prtimes.jp/story/detail/0bKwPjSejMb)

なぜ営業所に「カフェ」なのか

タクシー乗務員は業務中、基本的に単独で行動します。そのため、営業所は「出庫・帰庫」「納金」「点呼」といった業務処理の場に留まりがちでした。しかし若手社員の増加により、「営業所内での交流不足」が課題として顕在化します。孤立が退職につながるケースもあり、単なる教育強化ではなく、“場づくり”による関係性構築が必要とされました。
そこで立ち上がったのがHRM(Human Resource Management)プロジェクトです。新卒社員自らが主体となり、経営トップとのディスカッションを経て生まれたのが「キッチンを設置し、自分たちで運営するカフェ」というアイデアでした。
これは福利厚生施設ではありません。目的は「憩い」と「自律性」の創出です。営業所に“いる意味”を再定義する試みといえます。

内装設計で重視された3つの視点

オフィス内装の観点で注目すべきは、以下の3点です。

① タクシー営業所のイメージ刷新

コンセプトは「とにかくオシャレに」。従来の営業所イメージを刷新し、若手世代にフィットする空間を目指しました。電球色のムーディーなカフェではなく、自然光を活かした明るく開放的な空間設計を採用。フェイクグリーンや木目調の素材選定まで細かく検討されています。バックオフィス視点では、「企業ブランディングを内装で体現する」好例です。

② ピークタイムを設計に組み込む

営業時間は9:00~15:00。午前帰庫組と午後出庫組が交わる時間帯です。これは単なる運営都合ではなく、「交流が最大化する時間設計」です。内装はデザインだけでなく、利用導線や時間軸設計まで含めて戦略的に設計されるべきだと示しています。

③ 理想と運用のバランス

パンを生地から作る案は現実的ではないため、冷凍パンを活用。サラダも完全セルフではなく一部ハイブリッド方式に。理想を描きながら、継続運用できる形に落とし込んでいます。オフィス内装において最も重要なのは「継続可能性」です。初期コンセプトだけでなく、日々のオペレーションまで設計する姿勢は、総務・管理部門にとって大いに参考になります。

空間が生み出す組織変化

オープン後、営業所には明らかな変化が生まれました。点呼場とは異なる「業務と切り離された空間」ができたことで、自然な会話が増加。話したことのなかった同僚同士の交流も生まれています。
さらに、カフェは単なる交流拠点に留まりません。社内イベント開催や営業所横断型委員会のリアル開催拠点としても機能する可能性を持ちます。「事故防止」「接客向上」「地理学習」などの自主委員会活動と連動し、キャリアパスの可視化にも寄与しています。空間は、人材育成装置にもなり得るのです。

オフィス内装は“採用戦略”でもある

日本交通は累計1,400名以上の新卒乗務員を採用しています。若手が活躍できる環境を具体的に示せることは、採用広報上の大きな武器になります。
「タクシー営業所にカフェがある」という事実は、業界イメージを刷新する象徴的なメッセージです。移動インフラ企業が“コミュニティ”を内包することで、地域連携の可能性も広がります。
オフィス内装は、従業員満足度向上だけでなく、採用・定着・ブランド形成まで波及する経営投資であることが、この事例から見えてきます。

担当マーケターの視点

今回の取り組みは、「空間を通じたインナーブランディング」の成功事例だと感じます。タクシー営業所という機能重視の空間に、あえて“余白”をつくることで、組織文化そのものを変えようとしています。重要なのは、経営主導ではなく若手主導で設計された点です。これにより、空間は単なる設備ではなく“自分ごと化された場”になります。採用市場においても、「若手が主体的に挑戦できる会社」というメッセージは強力です。今後はこの空間をどのように社外へ発信し、企業ブランドと接続させるかが鍵になるでしょう。オフィス内装はコストではなく、企業の未来を形づくるメディアであると改めて感じました。

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