東京都心5区の賃料が20カ月連続上昇|移転検討企業が知るべき最新トレンド

東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィス市場で、空室率の改善が続いています。三幸エステート株式会社が12日に公表したデータによると、2025年7月時点での空室率は1.84%となり、前月比で0.19ポイント低下しました。これは5カ月連続の改善であり、2021年2月以来、約4年ぶりの1%台への回復です。
特に港区や新宿区では空室消化が進み、同月に竣工した新築ビルもおおむね高稼働を記録しました。こうした動きは、オフィス需要が引き続き堅調であることを示しています。また、貸付総面積に対する募集面積の割合を示す「潜在空室率」も3.59%と、前月より0.34ポイント低下しました。
さらに注目すべきは賃料の動きです。1坪あたりの平均募集賃料は3万728円となり、前月比で205円上昇しました。これで20カ月連続の上昇または横ばいが続いています。特に競争力の高いビルでは、募集条件を上回る条件での成約事例も見られ、都心オフィスの希少性と人気の高さが浮き彫りとなっています。募集面積は34万4,446坪で、前月から2万3,749坪減少しました。
一方、全国6大都市の動きを見ると、東京23区全体で空室率2.4%と安定。その他、札幌市3.6%、仙台市6.0%、名古屋市2.2%、大阪市2.9%、福岡市5.5%となっています。地方都市でも空室率は概ね低下しており、全国的にオフィス需要は底堅さを保っています。
オフィス移転を検討している企業にとって、都心の競争は今後さらに激化する可能性があります。空室率が下がる一方で賃料は上昇傾向にあるため、「希望条件を満たす物件を確保するにはスピード感が重要」といえるでしょう。
担当マーケターの視点
今回のデータは、都心オフィス市場の回復基調が鮮明になっていることを示しています。コロナ禍以降、在宅勤務やハイブリッドワークの普及で「オフィス不要論」も語られましたが、実際には企業がオフィスを「価値を生む拠点」として再評価していることが明らかです。
特に、コミュニケーションやイノベーションを促進するためのハイグレードビルへの集中は顕著です。港区や新宿区の空室消化や新築ビルの高稼働は、オフィスをブランドや採用戦略の一部として重視する企業が増えている証拠です。
バックオフィス担当者にとっては、賃料の上昇と空室率の低下を踏まえ、「いつ動くか」が重要な判断ポイントになります。今後の市場は、立地・設備・コラボレーション空間といった付加価値を持つビルに需要が集中する構造に移行しています。移転は単なるコスト削減ではなく、企業の成長戦略を支える意思決定だという視点を持つことが成功の鍵になるでしょう。
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